皆さんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです

今回は優先株ETFの「PFF」をご紹介します。
優先株という言葉にあまり馴染みがないと思いますが、優先株はその仕組み上、配当がとても高い傾向があり、その優先株を集めたPFFというETFはインカムゲイン狙いの方にはとても魅力的な商品になっています。
もちろん高配当で毎月分配には、それに伴ってデメリットもあるので詳しく解説していきたいと思います。
ぜひ最後までご覧ください。
- 優先株ETF「PFF」の特徴
- PFFのメリット・デメリット
- PFFの投資戦略
※この記事は特定の銘柄の利益を保証するものではありません。投資には元本割れのリスクがあります。商品選定は必ず自己責任でお願いします。2020/08/27
PFF【高配当・毎月分配】優先株ETFで配当生活を強化する
商品説明
商品名 | iシェアーズ 優先株式&インカム証券ETF |
ティッカーシンボル | PFF |
経費率 | 0.46% |
配当月 | 毎月 |
権利落ち日 | 毎月1日(1月のみ翌年12月20日頃) |
MSCI ESGファンドレーティング (AAA~CCC) | A |
運用会社 | ブラックロック |
運用会社ブロックロックは1988年より設立されたファンド運用会社でバンガード、ステートストリートに並ぶアメリカの3大運用会社の一つです。
用資産残高は9.49兆米ドル(約1,054兆円)にも上ります。※2021/06時点
経費率0.46%とインデックスファンドに比べると少し割高ですが、1%を超える事はないので優良である部類です。
以下、ブラックロック社が提供するファンドの詳細です。

純資産総額200億米ドルと巨大ファンドですね、保有銘柄数も500銘柄と分散が効いています。
ファンドの概要は以下のようになります。
≪ファンド概要≫
iシェアーズ 優先株式 & インカム証券 ETFは、米ドル建て優先株式・ハイブリッド証券を対象とした指数と同等の投資成果をあげることを目指しています。
引用:ブラックロック

過去12ヶ月の分配金利回りは4.47%、最近の株高で高配当ETFのVYMなどが利回り2.80%代に下げている事を考えるとかなり高配当だといえます。
そんな高配当な優先株ETFですが…

そもそも優先株とはどういった株式なのでしょうか?
優先株式とは
優先株式とは、「議決権」を放棄した株式の事です。
「議決権」とは株主総会で会社の方針を決める際に決議に参加し票を入れることができる権利です。
普通株主には企業に出資した権利としてこの議決権が与えられます。

しかし優先株式の株主はこの権利を放棄する代わりに配当金の利率を上げてもらっています。
ちなみに議決権を放棄してお金を投資しているという事は「債券」に属性的は近くなりますが、会社が破綻した際の余剰金の返済順位は債券よりも低くなります。
返済義務の順番としては債券>優先株式>普通株式となります。
なぜこのような株式が存在するのかというと、
会社が資金調達をする際、普通株式よりも投資家に有利な条件を提示することで資金の調達がし易くなるばかりでなく、議決権の放棄により保有株数による経営の主導権を握られないというメリットがあるからです。
こう考えると一般の個人投資家にとっては議決権などそこまで必要でなく、高配当で優先的に分配してもらえる優先株は資産運用としていい投資先になるのです。
PFFの株価の特徴
それではPFFのパフォーマンスを見ていきましょう。

設定来からのPFFのパフォーマンスはほぼ横ばいです。
リーマンショック時に大きく下げてからは40ドル前後をずっと推移していますね。
なぜこのような株価の動きになるのでしょうか?
それはPFFの組み入れ銘柄に償還日が決まっている銘柄が多く組み入れられているからです。
償還日が決められている銘柄は、あらかじめ決まった金額で償還日に償還されるので、一定の金額が担保されている分、逆にキャピタルゲインは狙えません。
1億円の償還日の決まった証券⇒【償還日】どんなに値上がっても1億円で償還
そのため債券の様な安定した値動きを見せるのです。
平常時の価格変動幅は少なく債券と同じような動きですが、暴落時の下落率70%以上と債券ほど暴落に耐性はありません。
下落の落差はハイイールド債(ジャンク債)に近いですね。
リーマンショック時にこれほど大きく下げたのは組み入れ銘柄に金融セクターを多く組み入れているのが原因だと考えられます。


リーマンショックのような金融収縮を伴う暴落ではかなりの下落を引き起ことに対して、コロナショックでは戻りが割と早かったのは莫大な財政出動で金融収縮を防いだおかげでしょう。

【コロナショック時の比較】
- ロウソク足「AGG(総合債券インデックス)」
- 黄色「PFF」
- オレンジ「SPYD(S&P500高配当ETF)」
- 水色「SPY(S&P500インデックス)」
とは言え債券ほど暴落に強くないのは変わらないのでディフェンシブとして持つ銘柄ではないように考えます。
PFFのメリット・デメリットまとめ
PFFのメリット
PFFのメリットは何といっても高配当で毎月分配のあるインカムゲインです。
設定来からの株価のパフォーマンスを見る限りキャピタルゲインは狙えませんので資産形成には向きません。
その代わり、資産形成が済んだ方や、手元に資金があり日々の生活を向上させたい方には向いているETFといえます。
もちろん高い配当金を得るのでそれを再投資する事も出来ます。
以下のグラフは配当金再投資時のパフォーマンスです。順調な右肩上がりを推移しています。

しかし、高配当銘柄で配当金を再投資する方法は税金面の事も考えると資産形成に向いていません。
そのあたりの事は以下の記事で解説してるのでそちらもご覧ください。
もし現資産がそこまでない方であればまずは資産を増やす、資産形成を優先させることをお勧めします。
資産形成の際にキャッシュポジションを取っておくなどしておけば暴落時に高い配当利回りになったPFFを購入する事もできます。
金融収縮を伴わない暴落であれば高配当株ETFよりも戻りが早い点が有利ですね。
PFFのデメリット
PFFのデメリットは何と言ってもその値動きです。
平常時はほぼ横ばい、設定来を通して上昇していません。
値上がり益を期待できない分、SPYDやVYMの方が今後の資産価値は高くなります。
また年々減配傾向にあるのも気になるところです。

やはり利回りが高い時期を狙って購入した方が良さそうですね。
また債券ではないので暴落耐性はありません。
引退後、配当金生活のためにPFFを組み込んでいる方や組み入れようと思っている方など
PFFはあくまでも利回りを上げるトッピングとして、必ず債券なども組み入れておく必要があります。
ちなみに値上がり益が狙えないデメリットはありますが、裏を返せば安定した値動きともいえます。
値動きを気にしたくないという人にとっては安定しているというメリットにもなります。
PFFの投資戦略

私の考える投資戦略としては、やはり値上がり益が狙えないので資産形成時には向かないETFだと考えます。
しっかりと資産形成が終わった段階でどのくらいPFFを組み込むかを考えた方が良いでしょう。
また単純に積立で買うのではなく。
キャッシュポジションや債券に資金を置いておき、暴落が起こった時に高利回りになったPFFを買うという方法が良いと考えます。
高配当株ETFよりも回復は早そうなので株価が戻るか心配する必要はそこまでなさそうです。
では今回のまとめです。
- 高い配当利回りで毎月分配はインカムゲイン目的には最適
- 平常時の値動きはほぼ横ばい、値上がりはしないので資産形成には向かない
- 債券ほど暴落耐性は無い
- 金融収縮を伴わない暴落であれば戻りは早そう
- 年々減配傾向
- 買い時を狙う「押し目買い」が有効
いかがだったでしょうか、高配当で毎月分配はやっぱり嬉しいですよね。
しっかりデメリットを理解してその特性を生かせば、あなたの配当金生活を強化してくれるツールの一つにきっとなるはずです。
高配当ポートフォリオを構築する上で是非参考にしてみてください。

みなさんの充実したマネーライフを応援しています☆
Written by NAOMARU
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