安定した財政基盤で安心して長期保有できる⁉保険業界大手の連続増配株とは

この記事では投資を始めた方の為に決算書から読み解いた財務優良企業の株をレビューしています。
- 高配当株の企業情報がわかる
- どんな項目に注意して選べばいいかが分かる
今回、楽天証券から高配当ランキングが出ているのでそちらを見てみましょう。

この中で注目したのが「MS&ADインシュアランスHD」です。
それではこの企業が高配当株投資に適しているか分析してみましょう!
※この記事は特定の銘柄の利益を保証するものではありません。株式取引は常に元本割れのリスクがあります。株式銘柄の購入は自己責任でお願いします。また、掲載時期から業績が変わっている可能性があります。
MS&ADインシュアランスHD【8725】

- MS&ADインシュアランスHD
- 銘柄コード(8725)
- 1株当たり配当:150円
- 配当利回り(予):4.74%
- 連増配年数:7期
- ※2021/02/09
企業概要
三井グループが行っている保険や金融サービスを手掛ける会社。
国内損害保険事業を基軸に国内生命保険や海外保険事業にも力を入れている。
また金融サービスも手掛けており幅広い収入源を保有している。
代表的な商品として「三井住友海上」「三井ダイレクト損保」「三井住友海上あいおい生命」
「三井住友DSアセットマネジメント」などがある。

定期的な安定収入のある保険事業を軸にした会社です。そんなMS&ADインシュアランスHDの中身を下記の項目に合わせてみていきましょう!
- 経常収益
- EPS
- 自己資本比率
- 各種キャッシュフロー
- 現金等
- 一株当たりの配当金推移
- 配当性向
経常収益
本来であれば売上高を確認するんですが、保険事業や金融事業の場合売上高ではなく経常収益を見ることになります。
しかし、基本的な考えとしては売上高と変わらずどれだけお金を得ているかというのが肝心です。

年間数千億というレベルで収益を上げていますので、綺麗な右肩上がりです。
それにしても凄い金額ですね。では一応経常利益の方を見てみましょう。

経常収益とうって変わって大分金額が小さくなりましたね。これは金融業によくあるパターンですが、収益として見積もられる金額はあくまで預り金であり出ていく可能性のお金なので利益として見た場合それほどあるというわけではないんです。
2012年に赤転しているのは2011年に東日本大震災があって保険金の支払が大量にあったからだと思われます。保険会社は大規模災害が起こると大変なのが分かりますね。2013年になると逆に保険需要が高まり黒転しています。直近はほぼ横ばいなので、安定してるといえます。
EPS
一株当たりの利益です。その年一株がどのくらいお金を生み出したのかが分かります。EPSの数値が高いと企業の収益率が高く。逆に低いと企業の収益力も低いと判断されることが多いです。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数

こちらも直近は安定して収益を上げているので、問題ないようです。上昇は見込めませんが、安定していますね。
自己資本比率
次に自己資本比率を見ていきましょう。
自己資本比率とはその名の通り企業の資金がどれだけ自社の物かを示します。資本が大きくても借り入れなどの比率が高ければその会社は安定しているとは言えませんね。希望は50%以上です。

自己資本比率10%とかなり低いですね。
ただこれには訳があって、その理由は次の総資産と純資産を見ていただければ分かります。


保険業や金融業のようなお金を取り扱う業態はそもそも入ってくる流動資産が高くなってしまいます。そのため純資産が2兆円以上ある企業でも総資産が膨らんでしまうため自己資本比率10%程度になってしまうのです。
ちなみに同業の第一生命HDも自己資本比率6.3%程度なので、こちらも問題ないといえます。
各種キャッシュフロー
それでは各種キャッシュフローを見ていきましょう。
各キャッシュフローの特性は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュフローは本業で最終的にいくら稼げたかを表します。
プラスであればあるほどいいです。
営業活動によるキャッシュフローがプラス=本業で稼いでいる😄
営業活動によるキャッシュフローがマイナス=本業で稼げていない😨

営業活動によるキャッシュフローは近年問題なくプラスで動いてますね。2011~2012年のマイナスは前述したとおりです。
投資活動によるキャッシュフローは成長に向けてどれだけ投資活動にお金を使っているかを表します。
マイナスであると資金を投入しているという事で成長性が見込めます。逆にプラスだと資産を売却している可能性があります。
投資活動によるキャッシュフローがプラス=資産を切り売りして現金をやりくり😱
投資活動によるキャッシュフローがマイナス=成長のために現金を投資している😁

2013年以降営業活動のCFが成長したおかげでその資金を着実に投資に回していますね。いい兆候です。
財務活動にキャッシュフローはお金をどうやって調達しているかを表します。
プラスであると設備投資などで借り入れをしてる。マイナスであると借入金を返済していることになります。借り入れは企業発展のためには必要なことなのでプラスでもマイナスでも問題ありません。むしろ何のために借り入れをするのかが重要になってきます。
財務活動によるキャッシュフローがプラス=借り入れを行っている😁
財務活動によるキャッシュフローがマイナス=借り入れを返済している😄

毎年、借り入れや返済を繰り返していますね。借り入れが膨らんでいっているようではないので問題ないと思われます。
現金等
先のキャッシュフローでお金の流れは分かりましたが実際に手元にある現金はどのくらいあるのかを確認してみましょう。

着実に手元のお金を増やしていっていますね。問題ないと思われます。
一株当たりの配当金推移
1株当たりの配当金の増減を確認します。高配当株投資では減配するような企業は避けた方がいいです。

2013年の経常収益の黒転からみるみる増配を続けていますね。特に直近は10円と高い増配率です。こうなると頭打ちしてきそうな気がしますので次に配当性向を見てみましょう。
配当性向
配当性向とはその年の利益のうちどのくらいを配当に回しているかという数値になります。この数値が80%90%になってくると、現在の配当金価格を現状の利益からは払えなくなる可能性があり、借り入れ手の配当や減配の可能性も出てきます。

配当性向が30~50%を推移していますね、まだまだ配当金には余裕があるといえますね。
直近58%と少し上がってきているので、これがどんどん上がってくるようだと注意したいですね。
今のところ問題はありません。
おすすめ度
それでは今回のおすすめ度です!
☆4つ!安定業績で現金も増やして上々!ただ地震大国ニッポンの災害リスクや、少子化で先細る人口は長期的にみてどうか…
業績的には問題ない安定した保険事業。保険大好き日本人の基盤は揺るぎませんね。
ただ2011年の東日本大震災など災害リスクはつきものです、そのためにも内部留保を蓄えているように思えます。大災害にも耐えきれる企業に育ってくれるといいですね。
増配も期待できます!
以上!
いかがだったでしょうか?高配当ランキングをちらっと見て何気なく調べただけですが、割と優良企業だった気がします。
今回のようにこのコーナーでは気になった個別銘柄を投資適格なのかレビューを今後もしていきたいと思います。
自分でも企業を分析して投資対象を見つけたい!という方は決算書を簡単に読める本をご紹介してますのでこちらの記事もご覧ください。
決算書が読めると企業への投資がもっと楽しくなりますよ!
皆さんの充実したマネーライフを応援しています☆
Written by NAOMARU
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