平均年収ランキング2位⁉財務健全な成長期待株とは
この記事では投資を始めた方に決算書から読み解いた財務優良企業をレビューしてご紹介しています。
株を買いたいけど何を買ったらいいか分からい。
買った企業が業績不安定だと不安。
という方のために株式銘柄の選定の参考にして頂ければと思います。
今回は日本の長者番付第3位に入る滝崎武光氏が創業した「キーエンス」についてご紹介したいともいます。
「キーエンス」は日本企業の平均年収ランキングでも2位を獲得しており、その額は2111万円です。

平均年収ですからね…とてもうらやましい…
しかし、私たちの生活にはあまり馴染みのない会社なので、いったいどんな会社で、どんな財務状況なのでしょう?
調べてみたら物凄い会社でした。
それでは決算書を読み解いていきましょう!
※この記事は特定の銘柄の利益を保証するものではありません。株式投資には必ず元本割れのリスクがあります。銘柄選定は自己責任でお願いします。
キーエンス【6861】

銘柄コード/6861
一株当たりの配当/150円
配当利回り(予)/0.39%
連続増配年数/5期
※2021/04/09
企業概要
キーエンスは工業向け電子機器の総合メーカーです。
主な製品は光センサーやカメラを利用した測定器など工業製品に特化しています。

しかし、キーエンスの凄い所は顧客一人一人の課題に沿ったモノづくりをするというスタンスです。
まず顧客の課題ありきでそれを解決するためのツールを開発するという発想から、革新的な新商品を次々と開発しています。
この販売戦略により、顧客は課題を解決するためのツールを購入できるので商品ロスを抑えることが出来るのです。
販売方法も、ダイレクトセールスをすることで競合を抑えることが出来。特定の分野に特化した製品を作り出していけるのです。
「顧客の付加価値をまず考える」という事ですが、その付加価値を実現できる開発力はすごいですよね。
また近年注目されているデジタル技術を駆使した生産現場のデジタルトランスフォーメーションを加速させる商品の開発にも力を入れています。
そんな顧客第一主義で、従業員平均年収ランキング上位の会社の中身はどうなっているのか、今回も以下の項目から財務状況を確認していきましょう!
- 売上高
- 営業利益
- 営業利益率
- EPS
- 総資産と自己資本比率
- 各種キャッシュフロー
- 現金等
- 一株当たりの配当金推移
- 配当性向
※以下のグラフはIRBANKから引用させていただきました。
売上高
企業の売上高です。過去にどのくらいお金を稼いだかを見てみましょう!

ところどころ売上高が下がっているところもありますが、順調な右肩上がりですね。
特に近年の売上高の増加は目覚ましいです。デジタル技術の需要が伸びているのが分かります。
営業利益
本業の利益がどれくらいあったかを表します。
本業の利益がマイナスだと経営方針を見直さなければなりません。

営業利益は毎年順調に利益を上げているといえます、とくに近年に関しては2000憶円規模で利益を上げているので、問題ありません。
またキーエンスの特徴は営業利益率と原価率にも反映されています。
営業利益率
(営業利益÷売上高)×100=営業利益率
売上に対して利益がどれほどあるかを測るもの。売り上げが高くても設備投資やその他のコストで営業利益率が下がると、企業は利益を出せていないということになります。

驚くことに営業利益率50%以上。売上原価率に関しては製造業では驚きの10%台です。
これはキーエンスのビジネスモデルの一つである「ファブレス生産」による成果であるといえます。
ファブレス生産とは自社で工場を一切持たず、顧客からのニーズを受けたら商品開発にマッチした技術と生産ラインを保有した工場にアウトソースするという生産方法です。
これにより自社での開発コストや固定資産のコストを大幅に減らし、原価率を下げることに成功しています。
そして直近30%と販管費が高いのも、平均年収ランキング2位という高収入を成立させている証拠ですね。
EPS
一株当たりの利益です。その年一株がどのくらいお金を生み出したのかが分かります。
EPSの数値が高いと企業の収益率が高く。逆に低いと企業の収益力も低いと判断されることが多いです。
EPS=当期純利益÷発行済み株式数

ところどころ落ち込んでいますが、他はほぼ安定して収益力を発揮しています。
特に直近3年間は高い収益力を上げています。問題ありませんね。
総資産と自己資本比率
総資産とは文字通り企業の持っている資産の総額。自己資本比率とは企業の資金がどれだけ自社の物かを示します。資本が大きくても借り入れなどの比率が高ければその会社は安定しているとは言えませんね。希望は50%以上です。


自己資本比率が脅威の90%越え!しかも10年以上もそれを維持しています。
更に総資産も毎年右肩上がりに増えていっている事から、ほとんど破綻する可能性の低い超優良企業といえます。
いや、すごい。
各種キャッシュフロー
それでは各種キャッシュフローを見ていきましょう。
各キャッシュフローの特性は以下の通りです。
営業活動によるキャッシュフローは本業で最終的にいくら稼げたかを表します。
プラスであればあるほどいいです。
営業活動によるキャッシュフローがプラス=本業で稼いでいる😄
営業活動によるキャッシュフローがマイナス=本業で稼げていない😨
投資活動によるキャッシュフローは成長に向けてどれだけ投資活動にお金を使っているかを表します。
マイナスであると資金を投入しているという事で成長性が見込めます。逆にプラスだと資産を売却している可能性があります。
投資活動によるキャッシュフローがプラス=資産を切り売りして現金をやりくり😱
投資活動によるキャッシュフローがマイナス=成長のために現金を投資している😁
財務活動にキャッシュフローはお金をどうやって調達しているかを表します。
プラスであると設備投資などで借り入れをしてる。マイナスであると借入金を返済していることになります。借り入れは企業発展のためには必要なことなのでプラスでもマイナスでも問題ありません。むしろ何のために借り入れをするのかが重要になってきます。
財務活動によるキャッシュフローがプラス=借り入れを行っている😁
財務活動によるキャッシュフローがマイナス=借り入れを返済している😄
理想は【プラス/マイナス/マイナス】です。
本業で利益を得て、そのお金で投資と返済が可能になっている状態。
以上のことを踏まえてキーエンスのキャッシュフロー計算書を見てみましょう。

理想的なプラス/マイナス/マイナスを形成しています。
直近三年間に大きな額のマイナスになっていますが、調べてみると有価証券の購入と定期積立預金への入金による支出という事で、基本的には会社の資産になる支出でした。
とくに財務活動によるCFの少なさには脱帽です。
現金等
キャッシュフローでお金の流れを確認したので、次は実際手元に現金はどのくらいあるのかを確認してみましょう。

とても多くの現金を保有していますね。特に直近の増加は目覚ましいものがあります。
一株当たりの配当金推移
1株当たりの配当金の増減を確認します。高配当株投資では減配するような企業は避けた方がいいです。

残念ながら、連続増配とまではなっていません。配当利回りもそこまで高くなく0.39%にとどまっています。高配当株ではありません。
配当性向
配当性向とは、その年の利益のうちどのくらいを配当に回しているかという数値になります。
この数値が80%90%になってくると、現在の配当金価格を現状の利益からは払えなくなる可能性があり、借り入れ手の配当や減配の可能性も出てきます。

配当性向はまだまだ余力があります。ただ、配当利回りを見ても今は配当に資金を回すより、事業内投資をして企業拡大をしているターンだと思われます。
なのでまだまだ、配当利回りや配当性向が上がるような銘柄とは思えません。
おすすめ度
それでは今回のおすすめ度です!
☆3つ半!安定財務の超優良企業。今後の株価の値上がり益も期待大、ただ高配当株投資向きかというとちょっと違うかも。
財務健全で自己資本比率も高い超優良企業である事は間違いありません。ただ、高配当株になるほど成熟企業ではなくどちらかというとグロース株的企業。
事業内投資が盛んで企業拡大が進んでいるため、それにつられて株価も順調に推移しています。

インカムゲインを狙うよりもキャピタルゲイン向けの会社と言えますね。
特に自己資本比率90%越えは強烈で、長期でも安心してホールドし続けれる企業の一つです!
いかがだったでしょうか。
今回は「キーエンス」について企業分析をしてみました。
このように決算書を見ると企業の健康状態がとてもわかりやすく見る事が出来ます。
もし自分でも分析してみたいという方はこちらの記事もご参考ください。
決算書が読めると企業への投資がもっと楽しくなりますよ!
みなさんの充実したマネーライフを応援しています☆

MONEY GROW UP!
Written by NAOMARU
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