みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。
今年も日本版ダウの犬を作る季節がやってきました。
前回の2022年度日本版ダウの犬を作った記事が気になる方はこちら☟
毎年日本版ダウの犬を更新しているこの企画ですが、今回もTOPIXを使って今年の日本版ダウの犬を検証していきたいと思います。

今年の銘柄も気になるけど前回の成績も気になるね
ということでまずはダウの犬理論から日本版を作る方法を復習し、そのあと2022年度の日本版ダウの犬の成績をお伝えします。
そして今年2023年度版の日本版ダウの犬を発表したいと思います。
果たしてどの企業が残り、どの企業が消えていくのでしょうか。
是非最後までご覧ください。🐽
日本版ダウの犬をつくってみた‐TOPIX 2023年版
日本版ダウの犬のつくり方

そもそもダウの犬とはどのような投資方法なのでしょうか?
簡単に説明すると下記のような投資方法です。
NYダウ平均の構成銘柄30銘柄のうち、配当利回りの高い10銘柄を均等に買うだけでダウ平均をアウトパフォームする投資手法。
とても簡単な方法でありながら実績があり長年使われ続けている投資手法です。
この手法を日本株に応用して日本版ダウの犬を作ろうというのが今回の企画です。
なぜ日本株でやるのか?
ではなぜ日本株でやるのでしょうか?そのメリットとはまさに”税金と為替”です。
外国株でこの手法を行うと国内の金融所得課税20%に加えて外国税の10%も上乗せされてしまうのです。
特に高配当株投資を行っている場合、利益だけに課税される売却益と違い配当金は全額に課税されてしまうため大きなデメリットとなります。
日本株で行えばこの外国税の10%が掛かりません。
とくに来年は新NISAも始まります。NISA口座の成長投資枠で購入できれば恒久的に非課税で運用できるのは大きいですね。
また為替のリスクもあります。
日本株で取引を行えば円での取引になるので為替の影響で高く買ってしまったり、配当金が目減りしてしまうという事も気にする必要はありません。
日本人で日本で生活をしているのであれば円で取引できる日本株は大きなメリットと言えます。
ダウの犬の概要
それでは今回の企画の基本となるダウの犬戦略の概要をお伝えします。
1. NYダウから高配当銘柄を選ぶ
NYダウの構成銘柄(全30銘柄)を、配当利回りの高い順から上位の10銘柄をリストアップします。
新年を迎える直前の12月31日時点の値を使うことが一般的です。
2.資金を上位銘柄に均等に投資する
上位10銘柄それぞれに、均等に投資を行います。配当金は再投資します。
3.1年後に見直す
1年後に再度NYダウの構成銘柄から配当利回りの高い銘柄をスクリーニングし、上位10銘柄から外れたものは売却。上位10銘柄に入ったものを新たに購入します。
以上が本家のダウの犬の概要です。
そしてNYダウに相当する日本の指数と言えばTOPIX Core30です。
TOPIXのCore30は東証全銘柄のうち時価総額、流動性が特に高い30銘柄で構成された株価指数です。
日本のリーディングカンパニーでもある30社を集めている事から主力大型株の動向を見るのに使われています。
まさにNYダウと対をなすには申し分ありませんね。
・詳しいTOPIX銘柄を確認するにはこちら⇒JPXホームページ【公式】
- 日経平均ではなくTOPIXを採用
- TOPIXの中でも Core30という厳選された中で行う
- 配当利回りの上位10社を均等に買い付ける
- 一年後に成績を見てリバランスを行う
そんなTOPIXのCore30から選ばれた2022年の日本版ダウの犬に選ばれた企業を次にご紹介します。
2022年度日本版ダウの犬銘柄とその成績を紹介

こちらが前回2022年のTOPIX Core30を使った日本版ダウの犬銘柄です。
銘柄名 | 時価総額 | 自己資本比率 | 純利益率 | PBR | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|---|---|
武田薬品工業 | 5.27兆円 | 42.0% | 11.8% | 1.0倍 | 5.4% | 74.8% |
三井住友銀行 | 5.78兆円 | 4.9% | 13.1% | 0.5倍 | 5.0% | 50.8% |
みずほ銀行 | 4.0兆円 | 4.1% | 14.6% | 0.4倍 | 5.0% | 203.9% |
三菱UFJ銀行 | 9.23兆円 | 4.8% | 12.9% | 0.5倍 | 3.9% | 41.3% |
三菱商事 | 5.83兆円 | 30.1% | 1.3% | 0.9倍 | 3.6% | 114.6% |
東京海上 | 4.79兆円 | 15.2% | 3.0% | 1.2倍 | 3.6% | 100.7% |
NTT | 12.08兆円 | 35.3% | 7.7% | 1.5倍 | 3.4% | 41.5% |
KDDI | 8.36兆円 | 45.2% | 12.3% | 1.7倍 | 3.4% | 41.9% |
ホンダ | 5.94兆円 | 43.4% | 5.0% | 0.6倍 | 3.3% | 28.9% |
三井物産 | 4.79兆円 | 36.2% | 4.2% | 1.0倍 | 3.3% | 42.3% |
金融株の配当利回りが高くPBR1.0倍割れが多く割安感がありますね。
コロナ禍での薬品関連銘柄も注目されていました。
ウォーレン・バフェット氏が購入し注目された商社株も入ってますね。
それではこの銘柄たちの昨年のパフォーマンスを確認していきましょう。
比較したのは日本の代表的な株価指数である日経平均です。

順位 | 銘柄名 | コード | 業種 | パフォーマンス |
---|---|---|---|---|
⑤ | 武田薬品工業 | 4502 | 医薬品 | +27.95% |
③ | 三井住友銀行 | 8316 | 銀行業 | +31.25% |
⑥ | みずほ銀行 | 8411 | 銀行業 | +24.15% |
② | 三菱UFJ銀行 | 8306 | 銀行業 | +37.47% |
⑨ | 三菱商事 | 8058 | 卸売業 | +15.44% |
➃ | 東京海上 | 8766 | 保険業 | +28.66% |
⑦ | NTT | 9432 | 情報・通信 | +17.82% |
⑧ | KDDI | 9433 | 情報・通信 | +15.76% |
⑩ | ホンダ | 7267 | 輸送用機器 | -8.92% |
① | 三井物産 | 8031 | 卸売業 | +39.45% |
平均 | +22.90% | |||
日経平均 | -10.32% |
なんと想定以上の高パフォーマンスをたたき出してくれていました。
米国金利の上昇で株安の展開が続いていた今年にあって平均+22.90%と高いパフォーマンスです。
マイナスになったのがホンダのみであとは全て年初来よりプラスで終わっています。
また年末に決まった日銀の利上げ幅0.5%への拡大に伴い金融株が大きく上昇しているのも注目されます。良いタイミングで上昇しましたね。
世界的に株が低迷した中で日本版ダウの犬は大健闘となりました。
今年の日本版ダウの犬を検証
それでは今年2023年度の日本版ダウの犬を選んでいきたいと思います。
今年のTOPIX Core30の採用銘柄とその配当利回りは以下のようになっています。

今回は日銀の利上げ幅上昇により銀行株の価格が上昇したため利回りが全体的に減ってしまっています。
金融株は少し割高感が出てしまいましたね。とはいえ4%台をキープしているので高配当としては申し分ありません。
またソフトバンク【9434】は年末にかけて大きく株価を下げているため5%台を突破しています。
ソフトバンクは財務が脆弱で事業内容も複雑なので要注意銘柄ですが、高配当銘柄であれば自動的に入れるのがダウの犬投資法なので、ここは無心に組み入れていきましょう。
ヘルスケアの武田薬品【4502】は2022年にもあり+27.95%も高パフォーマンスでした。安定的に高配当を出してくれるディフェンシブセクター銘柄は心強いですね。
注目は東京エレクトロン【8035】ですね。半導体銘柄などは成長株の部類なのであまり高配当にはなりにくいのですが、株価を大きく下げているため逆に配当利回りが高くなったという訳です。
つまり今はかなり割安という事になるので、今年株価が回復してくれば高パフォーマンスをたたき出してくれそうです。
それではTOPIX Core30の中から選抜した今年の高配当銘柄10選はこちらです。
2023年度 日本版ダウの犬銘柄はこちら!
順位 | 銘柄名 | コード | 業種 | 時価総額 | 自己資本比率 | ROE | PBR | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
① | ソフトバンク | 9434 | 情報・通信 | 7.03兆円 | 13.8% | 28.6% | 3.9倍 | 5.78% | 78.2% |
② | みずほ銀行 | 8411 | 銀行業 | 4.7兆円 | 3.5% | 5.9% | 0.5倍 | 4.58% | 38.2% |
③ | 武田薬品工業 | 4502 | 医薬品 | 6.39兆円 | 46.0% | 3.4% | 1.0倍 | 4.38% | 121.3% |
➃ | 三井住友銀行 | 8316 | 銀行業 | 7.26兆円 | 4.7% | 5.6% | 0.6倍 | 4.34% | 40.7% |
⑤ | ホンダ | 7267 | 輸送用機器 | 5.16兆円 | 45.0% | 6.1% | 0.4倍 | 3.96% | 29.0% |
⑥ | 東京エレクトロン | 8035 | 電気機器 | 6.07兆円 | 69.2% | 29.5% | 4.1倍 | 3.81% | 50.0% |
⑦ | 三菱商事 | 8058 | 卸売業 | 6.24兆円 | 34.0% | 11.9% | 0.8倍 | 3.62% | 23.6% |
⑧ | 三菱UFJ銀行 | 8306 | 銀行業 | 10.93兆円 | 4.3% | 6.7% | 0.6倍 | 3.60% | 31.2% |
⑨ | 東京海上 | 8766 | 保険業 | 5.68兆円 | 13.0% | 11.4% | 1.5倍 | 3.54% | 41.1% |
⑩ | KDDI | 9433 | 情報・通信 | 8.73兆円 | 44.6% | 13.2% | 1.7倍 | 3.39% | 41.2% |
平均 | 4.1% |
上の表が今年2023年度の日本版ダウの犬銘柄10選になります!
ソフトバンク【9434】
東京エレクトロン【8035】
NTT【9432】
三井物産【8031】
平均配当利回り4.1%でまずまずの利回りですね。
半導体の東京エレクトロン【8035】が組み入れられるというのは近年の半導体需要の上昇を反映してますね。
企業としては業績の好調で大きく増配したにもかかわらず、アメリカの利上げの影響を受けて連れ安になり配当利回りが上昇したことが組入の要因とされます。
それにしてもさすが成長株、ROE28.6%はとても効率よく稼ぐ企業と言えます。
NTT【9432】は除外されるほど値動きがあったわけではありませんが、ソフトバンクの急落で押し出されてしまった感があります。
三井物産【8031】に関しては今年株価が急上昇して利回りが低下、割安感が薄れてしまったための除外ですね。
また他の銘柄ですが、今回も金融・保険業が多くありますね。
リーマンショックのような金融危機が起こると連鎖的に下落してしまうような、少し脆弱なポートフォリオになってしまっている感はあります。
特にアメリカでは急激な利上げによって景気後退(リセッション)の懸念が叫ばれていますから、ディフェンシブセクターが少ないのが気になります。
とはいえ、前回も高パフォーマンスを見せてくれた日本版ダウの犬ですから、今回もまた期待したいですね🐽
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はダウの犬戦略を日本株のTOPIXに置き換えて日本株の投資戦略の一つとして選定してみました。
これはあくまで個人的な投資戦略の考察なので、利益を保証するものではありません。投資はあくまで自己責任でお願いします。
ただ高配当個別株をやってみたい方の投資戦略の参考になれば幸いです。
ちなみに日本株は1単元=100株からなので日本版ダウの犬を作るとなると大変な金額になってしまいます。
そのため単元未満株(1株単位)を扱っている証券会社で行う方が管理しやすいです。
単元未満株の取り扱いはSBIネオモバイルやLINE証券が有名ですが、最近ではマネックス証券やSBI証券など大手のネット証券会社でも単元未満株を取り扱っているので気軽に始めやすいですね。
マネックス証券やSBI証券はNISA口座での購入も可能なので完全非課税で運用できます。
では今回のまとめです。
- 日本版ダウの犬戦略はTOPIXのコア30で作る
- コア30の銘柄から高配当利回りの上位10銘柄に均等額投資する
- 日本株の単元は100株単位なので単元未満株がおすすめ
- 一年に一回配当利回りを確認してリバランスを行う
以上です。
今年はこのような「TOPIXの犬」が完成しました。
また来年リバランスのために企画したいと思います。ぜひ高配当個別株投資の参考にしてみてください!
みなさんの充実したマネーライフを応援しています🐽

Money Grow UP!
Written by NAOMARU
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