みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。
今回は面白い投資戦略があるのでご紹介します。

その名も「日本版ダウの犬」です。
みなさんはダウの犬という投資戦略をご存じでしょうか?
NYダウ平均の構成銘柄30銘柄のうち、配当利回りの高い10銘柄を均等に買うだけでダウ平均をアウトパフォームする投資手法
こんなシンプルな方法なのにダウ平均を超える成績を収めれるなんてすごいですね🐽
今回はこのダウの犬の投資手法を日本の株でやってみようという記事です。
アメリカの株ほど日本株は勢いがないから駄目じゃないの?と思われるかもしれませんが
これがなかなか優秀な銘柄が選出されました。
もし高配当個別株のポートフォリオで悩んでいる方は是非参考にしてみてください👍
- ダウの犬の投資方法
- 日本版ダウの犬のつくり方
- 日本株でやる事のメリット
※この記事では特定の銘柄を取り上げていますが、投資には必ず元本割れのリスクがあります。投資は自己責任でお願いします。
日本版ダウの犬をつくってみた-TOPIX 2022年版

ダウの犬戦略とは
それではまず、実際の「ダウの犬」戦略の詳細を確認していきましょう。
日本版を作るにあたって指針となる部分なのでしっかり理解していた方がいいですね。
ダウの犬のつくり方は以下のようになります。
1. NYダウから高配当銘柄を選ぶ
NYダウの構成銘柄(全30銘柄)を、配当利回りの高い順から上位の10銘柄をリストアップします。
新年を迎える直前の12月31日時点の値を使うことが一般的です。
2.資金を上位銘柄に均等に投資する
上位10銘柄それぞれに、均等に投資を行います。配当金は再投資します。
3.1年後に見直す
1年後に再度NYダウの構成銘柄から配当利回りの高い銘柄をスクリーニングし、上位10銘柄から外れたものは売却。上位10銘柄に入ったものを新たに購入します。
以上です。
先ほどもお伝えしましたが、とてもシンプルな投資戦略です。
しかし、このシンプルさが長期投資をする際はとても重要になってきます。
あまりごちゃごちゃして常に見張っていなければならない投資戦略だと疲れてしまって長期投資には向きませんからね。
投資が気になって本業に影響が出てしまっては元も子もありませんから、そういう意味でも優秀な投資戦略と言えます。
なぜ日本株でやるの?
ではこんな簡単な方法ならば実際のNYダウでやればいいのでは?日本株でやる必要あるの?と思われた方もいるかと思います。
しかし、日本株も捨てたものではありません。
確かに日本の株価指数はS&P500やダウ平均などに比べると上昇率は低く見劣りするかもしれませんが、個別株で見れば優秀で割安な財務優良企業は沢山あります。
また日本株でやるメリットとして為替リスクを回避できるというのは大きなメリットです。
日本円で生活している私たちにとって為替リスクは大きいです。
アメリカ株だけを持っていると円高になった時に配当金がものすごい目減りしていたりする事もあります。
また外国株の配当金は現地で源泉税が徴収されるため税金面でのデメリットもあります。※外国税額控除を使えば所得税からの控除が可能
日本株であれば、為替の影響を受けることなくNISA枠を使えば配当金はまるまる貰えることになります。
その点でも日本株でやるメリットは大きいのですね🐽
日本版ダウの犬投資方針

本家のダウの犬戦略にのっとり日本版の投資方針は以下のようにします。
- 日経平均ではなくTOPIXを採用
- TOPIXの中でもコア30という厳選された中で行う
- 配当利回りの上位10社を均等に買い付ける
- 一年後に成績を見てリバランスを行う
以上です。
本家ダウの犬と同じくシンプルな投資方針ですね。
まず日経平均でなく、TOPIXを使うのは日経平均が株価平均で算出されている指数であり大きな株価の偏りが激しく、日本経済新聞社という会社が介在しています。
TOPIXが時価総額加重平均に基づいて算出され、より個別企業の規模を反映している指数であることからTOPIXから選定する事にします。
またTOPIXすべての銘柄を対象としてしまうと、配当利回りの高い小型株など減配リスクの高い要注意銘柄までを拾ってしまう可能性が高いので、TOPIXの中でも特に企業規模の大きいコア30という選定された中から選ぶ事でさらに安定性を重視しました。
コア70というのもあり、そこまで間口を広げてもいいとは思いましたが…
あまり広げすぎてもリスクを高めるだけなので、コア30で10社もなかった場合に暫定的に対象を広げるという方法を取ります。
投資対象は少なければ少ないほど選びやすいですからね。
日本版ダウの犬の銘柄公開
それでは上記の投資方針に基づき選定した銘柄がこちらです。

黄色が配当利回り3%以上、赤が5%以上です。
2021年12月末時点での情報で掲載しています。
さすがコア30だけあって知っている名前の大企業ばかりですね。コア30に絞ったことで大企業で財務優良な銘柄を選定する手間が省けました。
これを配当利回りの高い順番に並べ替えるとこうなります。
順位 | 銘柄名 | コード | 業種 | 配当利回り | 現在価格 |
---|---|---|---|---|---|
1 | 武田薬品工業 | 4502 | 医薬品 | 5.4% | 3,384円 |
2 | 三井住友銀行 | 8316 | 銀行業 | 5.0% | 4,216円 |
2 | みずほ銀行 | 8411 | 銀行業 | 5.0% | 1,577円 |
4 | 三菱UFJ銀行 | 8306 | 銀行業 | 3.9% | 725円 |
5 | 三菱商事 | 8058 | 卸売業 | 3.6% | 3,951円 |
5 | 東京海上 | 8766 | 保険業 | 3.6% | 6,986円 |
7 | NTT | 9432 | 情報・通信 | 3.4% | 3,362円 |
7 | KDDI | 9433 | 情報・通信 | 3.4% | 3,751円 |
9 | ホンダ | 7267 | 輸送用機器 | 3.3% | 3,446円 |
9 | 三井物産 | 8031 | 卸売業 | 3.3% | 2,962円 |
11 | 伊藤忠 | 8001 | 卸売業 | 3.0% | 3,706円 |
平均利回り | 3.9% |
合計11社ですね。
やはり銀行業は多いですね。利回りが高いのも銀行業です。その次に情報・通信セクターも2社と健闘しています。
セクターとして偏るかなと思いましたが以外にいろんなセクターが入っているのが驚きです。
また銀行業・保険業・ヘルスケア・情報・通信セクターはどれもディフェンシブ銘柄なのでインカム目的で長期保有が基本の高配当株投資には持ってこいの銘柄たちですね。
この中から上位10社を均等に購入することになります。
伊藤忠は残念ながら今回は外れてもらう事になりますが、個別銘柄なので銀行セクターが多すぎると感じた人は逆に銀行セクターから1社外して入れてもいいかもしれません。
このようなフレキシブルに対応できるのが個別株のいいところですね。
伊藤忠が外れて10社にしても配当利回りは3.99%、ほぼ4%近い高配当ポートフォリオの完成です。
ところで…

実際にこの企業たちが本当に大丈夫なのか?
と思う方もいらっしゃると思うので、企業規模と自己資本比率、利益率、配当性向を一覧にしました。
銘柄名 | 時価総額 | 自己資本比率 | 純利益率 | PBR | 配当利回り | 配当性向 |
---|---|---|---|---|---|---|
武田薬品工業 | 5.27兆円 | 42.0% | 11.8% | 1.0倍 | 5.4% | 74.8% |
三井住友銀行 | 5.78兆円 | 4.9% | 13.1% | 0.5倍 | 5.0% | 50.8% |
みずほ銀行 | 4.0兆円 | 4.1% | 14.6% | 0.4倍 | 5.0% | 203.9% |
三菱UFJ銀行 | 9.23兆円 | 4.8% | 12.9% | 0.5倍 | 3.9% | 41.3% |
三菱商事 | 5.83兆円 | 30.1% | 1.3% | 0.9倍 | 3.6% | 114.6% |
東京海上 | 4.79兆円 | 15.2% | 3.0% | 1.2倍 | 3.6% | 100.7% |
NTT | 12.08兆円 | 35.3% | 7.7% | 1.5倍 | 3.4% | 41.5% |
KDDI | 8.36兆円 | 45.2% | 12.3% | 1.7倍 | 3.4% | 41.9% |
ホンダ | 5.94兆円 | 43.4% | 5.0% | 0.6倍 | 3.3% | 28.9% |
三井物産 | 4.79兆円 | 36.2% | 4.2% | 1.0倍 | 3.3% | 42.3% |
さすがコア30に選ばれているだけあってどれも4兆円以上の時価総額を持った大企業です。
これであればいくら業績不振になったところで1年は持ってくれそうです。
1年後に業績不安でランキング外になったらリバランスを行えばOKです。
金融業の自己資本比率が低いのは他人のお金を預かって商売をする仕組み上しょうがないですね。
配当性向で100%を超えている企業がいくつかありますので、そこは注視しておいた方がいいですね。
減配の可能性もありますが、配当金を維持して業績が上がれば配当性向も下がってくることはあります。
また注目すべきはPBRが1倍を切っている企業が多い事、割安に放置されているので投資妙味があります。
ざっと企業の営業利益などを見ていても極端に減ったりする企業は無く、無難に毎年利益を上げているのはコア30に残っている企業だからですね、ダウの犬戦略をTOPIXに当てはめても効果は期待できそうです。
日本株の注意点

日本株の注意点として、日本株は単元が100株単位となってしまう事です。
そのためダウの犬戦略を取ろうとしたら、約380万円以上ものお金が必要となってしまうのです。
米株であれば1株単位で変えるので調整もしやすいですが、100株単位だと調整するのも大変ですよね。
そんな時は単元未満株を取り扱っている証券会社で取引する事をお勧めします。
SBI証券などでも単元未満株は取り扱っていますが、取引回数が多いと手数料がかさんできます。
単元未満株を取引きするのに使いやすいのがLINE証券です。
LINE証券は売買手数料無料。取引コストに時間帯で数パーセントのコストがかかりますが、2円とか3円程度なので業界最安値で取引が可能です。
ダウの犬戦略は均等額で投資をするため、安い株は高い株よりも多く買う必要があるので日本株で実践するなら単元未満株は必須ですね🐽
※LINE証券はNISA口座に対応していません。非課税枠で行いたい方はSBI証券や楽天証券、松井証券などのネット証券の方がいいですね。
まとめ
いかがだったでしょうか。
今回はダウの犬戦略を日本株のTOPIXに置き換えて日本株の投資戦略の一つとして選定してみました。
これはあくまで個人的な投資戦略の考察なので、利益を保証するものではありません。
ただ高配当個別株をやってみたい方の投資戦略の参考になれば幸いです。
では今回のまとめです。
- 日本版ダウの犬戦略はTOPIXのコア30で作る
- コア30の銘柄から高配当利回りの上位10銘柄に均等額投資する
- 日本株の単元は100株単位なので単元未満株がおすすめ
- 一年に一回配当利回りを確認してリバランスを行う
以上です。
今年はこのような「TOPIXの犬」が完成しました。
ただし一年に一回リバランスを行う事がポートフォリオの健全化につながるので、また企画したいと思います。
ぜひ高配当個別株投資の参考にしてみてください!
みなさんの充実したマネーライフを応援しています🐽

MONEY GROW UP!
Written by NAOMARU
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