みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。
このところの株価下落を受けてにわかに注目を集めてきているのが”インバース型ETF”です。
これを聞いて

インバース型って何?
となっている方もいるかと思いますが
指定された指数の日々の変動率がマイナスの倍率になるように設計されたもの。ベア型とも言われる。
つまり、日経平均やS&P500等の原指数が上昇すれば逆にインバース型は下落し、原指数が下落すれば、上昇するという商品です。
株価暴落時に注目される意味が分かりますね。
今回はそんなインバース型のメリットやデメリットをご紹介します。
投資商品を正しく理解して自身の商品選定の参考にしてみてください。
- インバース型の特徴
- インバース型のメリット・デメリット
- 人気のインバース型ETFの紹介
※この記事では特定の投資商品を紹介していますが、利益を保証するものではありません。投資には必ず元本割れのリスクがあります、商品選定は自己責任でお願いします。
株価暴落でも利益⁉インバース型ETFとは 魅惑のリターンとリスク

インバース型(ベア型)の特徴

インバース型のETFは元になる指数とは逆の動きをする商品です。
そのため原指数のヘッジとして買われることも多く使い方によっては有効な商品と言えます。
例えば逆の動きとる代表的なものが信用取引の「空売り」ですが、このインバース型を買えば信用取引をすることなく同じ効果を得られるのです。
しかも、インバース型商品は信用取引ではなく現物取引の商品なので追証がかかる事もありません。
信用口座を開設できない方や借金(借株)をするのが怖いという方がヘッジ取引をするには始めやすい商品と言えます。
しかし、注意も必要です。
インバース型のETFは基本的にレバレッジが掛かっている商品がほとんどです。
原指数の日々の値動きの2倍や3倍の値動きを目指して作られる商品
その為、ボラティリティが高く大きな利益を得る可能性が高い反面、大きく損失を被る可能性もあります。
またレバレッジ商品特有の「逓減」も起こります。
これはインバース型と言えどレバレッジ商品であることは変わらないという事ですね。
株価が上昇や下落を繰り返すと、その2倍や3倍の動きをするレバレッジ商品は次第に減価して原指数の動きから乖離していくこと。
例えば基準価額100の原指数が株価の上下を繰り返し100に戻っていてもそのレバレッジ商品だと100にならずそれよりも低い価格になってしまうのです。
これにより上昇・下落を繰り返すと元本が目減りしていきます。

また、世界の経済成長を考えると長期で見れば右肩上がりに推移しています。
これは常に人類が経済発展を続けてきているという証であり、特にアメリカはイノベーションが起こりやすく一時的に暴落が起こってもまた復活し最高値を更新し続けています。
【VTI 全米株式インデックスの推移】

そのため短期的に見れば一時的な暴落で上昇したとしても超長期で見れば常に「下落トレンド」だという事も忘れてはいけません。
このことからもインバース型は長期保有には適していない事がわかります。
長期保有ではなく短期的な値動きを取りに行く「短期トレード」となると利益を上げるのはプロでも難しいと言われています。
次に上がるか下がるかは誰にもわかりません。
ヘッジとして購入したにも関わらず損を出してしまったという事にもなりかねません。
以下にインバース型のメリット・デメリットをまとめてみました。
- 原指数の下落で利益になるのでヘッジとして使える
- 信用取引ではないので借金をすることはない
- レバレッジ商品特有の高ボラティリティ&逓減リスク
- 長期保有には向かない、必然的に短期トレードになる
以上のメリット・デメリットを理解した上でヘッジとしてインバース型を活用したいところです。
ヘッジ取引については過去の記事をご参考ください。
インバース型ETFの紹介
それでは今売られれているインバース型の商品にはどんなものがあるのかご紹介します。
SPXS – Direxion Daily S&P500 Bear 3X Shares
アメリカの代表的な指数S&P500と逆の値動きをするインバース型ETF「SPXS」
世界で最も保有されている原指数だけに投資初心者の方も多くが投資している指数。
そのS&P500が暴落した際に値上がりするのがこのSPXSです。
多くの人がコア資産として保有しているため、暴落時のヘッジとしては有効な商品と言えます。
しかし、レバレッジ3倍が掛かっているため高ボラティリティで、経費率も0.95%とS&P500のインデックス(VOO)と比べるとかなり高いです。
商品名 | Direxion Daily S&P500 Bear 3X Shares |
ティッカー | SPXS |
設定日 | 2008/11/05 |
資産総額(百万USD) | 437.942 |
経費率 | 0.95% |
ファンドマネージャー | Paul Brigandi |
1年トータルリターン | -34.63% |
3年トータルリターン | -52.90 |
5年トータルリターン | -44.94% |
【現在の値動き】
TECS – Direxion Daily Technology Bear 3X Shares
最近のレバナス(レバレッジNASDAQ100)ブームもあり、ハイテクセクターにレバレッジをかけた商品が人気です。
特にナスダック100に近い動きをするテクノロジーセクターの3倍レバレッジ商品TECLはレバナス商品に次いで人気です。
そのTECLの対になる商品がこのTECSです。
TECLの値動きと逆の動きをするインバース型ETFです。レバレッジはTECLと同じく3倍が掛かっています。
TECLもかなりボラティリティの高い商品なので暴落時のヘッジとしてTECSに注目しておくのはかなり重要となってきます。
特にアメリカではインフレ懸念により利上げが迫っておりテクノロジーなどのグロース銘柄の下落が予想されているため、注目すべきETFだといえます。
商品名 | Direxion Daily Technology Bear 3X Shares |
ティッカー | TECS |
設定日 | 2008/12/17 |
資産総額(百万USD) | 111.247 |
経費率 | 0.95% |
ファンドマネージャー | Paul Brigandi |
1年トータルリターン | -46.20% |
3年トータルリターン | -71.03% |
5年トータルリターン | -63.54% |
【現在の値動き】
SOXS – Direxion Daily Semiconductor Bear 3X Shares
テクノロジーセクターと同じく人気なのが半導体セクターETFです。
代表的なのがSOXLですが、それの対となるインバース型ETFがSOXSです。
NvidiaやIntel、Qualcommなど人気の半導体セクターに3倍のレバレッジをかけたSOXLはTECLよりもボラティリティが激しく、レンジ相場になりやすいためインバース型でも利益を得る機会が多そうなETFです。
対称インデックスは「ICE半導体インデックス」になります。
商品名 | Direxion Daily Semiconductor Bear 3X Shares |
ティッカー | SOXS |
設定日 | 2010/11/03 |
資産総額(百万USD) | 208.974 |
経費率 | 0.95% |
ファンドマネージャー | Paul Brigandi |
1年トータルリターン | -59.09% |
3年トータルリターン | -82.04% |
5年トータルリターン | -74.89% |
【現在の値動き】
1571 – NEXT FUNDS ⽇経平均インバース・インデックス 連動型上場投信
日本の株式市場でもヘッジをかけることは可能です。
TOPIXや日経平均に連動したインバース型のETFはいくつかあります。
今回はこの「NEXT FUNDS日経平均インバース・インデックスETF」をご紹介します。
日本のETFを多く取り扱っている野村アセットマネジメントが出している日経平均の逆の値動きをするインバース型ETFです。
このETFはレバレッジの掛かっていない商品になります。
日本はアメリカと違い長期的に見ても右肩上がりではない時期が多いので、インバース型を保有するメリットが大きいです。
特に最近の日経平均は右肩下がりなので、インバース型は利益を出しています。
ちなみにインバース型は投資信託よりもETFで購入する事をお勧めします。
投資信託は注文から約定までやく2日間のタイムラグが出てしまいますがETFであればその日に約定する事が可能。
特にインバース型は短期的な値動きに注視して注文を出すためタイムラグの無いETFがマストとなります。
商品名 | NEXT FUNDS ⽇経平均インバース・インデックス 連動型上場投信 |
証券コード | 1571 |
設定日 | 2012/4/12 |
資産総額 | 43,789百万円 |
経費率 | 0.88% |
1年トータルリターン | -4.3% |
3年トータルリターン | -38.02% |
設定来トータルリターン | -82.04% |
【現在の値動き】

まとめ
いかがだったでしょうか?今回は株価下落時にも狙える商品「インバース型ETF」をご紹介してきました。
現在の値動きを見てもわかるように、世界経済が成長し続けるうちは長期的に下落トレンドです。
ただし、一時的な調整、暴落局面でのヘッジとして購入するには有効な商品の一つとなります。
しかし、短期的な取引となる事やレバレッジが掛かっていることを考えると、やはり資金の一部でやるぐらいにしておいた方がいいかもしれませんね🐽
では今回のまとめです。
- インバース型ETFは原指数と逆の値動きをするETF
- 信用取引の「空売り」と似ているが現物株式のため追証は発生しない
- 長期的には下落トレンドなため長期保有に向かない、短期トレード向き
- ヘッジ取引のために購入する事は有効
- レバレッジの掛かっている商品は「逓減」する
なかなか上級者向けなヘッジ手法ですが、周りで株価が下落している時にインバース型商品を持っていると利益として上昇していくのでマイナスを抱え続けるよりは精神的に安定します。
また信用取引ではない事も始めやすいですね。
ただ、原指数の上昇が始まると「利確」が難しくなるのもこのインバース型の特徴です。
原指数の動向を観察し上昇の兆しが見えたらインバース型は即時撤退を心がけましょう。
ズルズルもって損失を抱えてしまっては全く意味がありません。
あくまで短期決戦用と心得てください。
最適な投資商品で適格な投資戦略を…
みなさんの充実したマネーライフを応援しています🐽

MONEY GROW UP!
Written by NAOMARU
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