【初心者向け】今さら聞けないPERとは?その意味と使い方

投資用語集

株式投資を始めたばかりの方は株式投資の基本である「安く買って高く売る」をどうやって見極めたらいいのか悩んでいる方も多いと思います。

特にその銘柄がいま本当に「割安」なのか、どうやって調べたらいいのかわからない

という悩みは多いです。

株式投資にはそんな投資家のために株価指標というものがあります。

株価指標とはその株価が割安かどうかを判断するためにとても役立ちます。

代表的な株価指標は下記の3つです。

  • PER
  • PBR
  • 配当利回り

株価の解説でもよく耳にすると思います。

ただ、なかなか意味を覚えられず実際に銘柄選定で活用できないでいる人も多いです。

今回はこの中でPERに焦点を当てて解説していきたいと思います。

みなさんの銘柄選定の一助となれば幸いです。

この記事でわかる事
  • PERの意味が分かる
  • PERの使い方が分かる
  • 低PERへの注意点が分かる
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今さら聞けないPERとは?その意味と使い方

PERってなに?

PERとは

Price Eamings Ratio =株価収益率

(ピーイーアール)と呼びます

PERは株価と会社の利益を比べて、その株価が利益に対して割安か?を判断する指標です。

今の株価が「1株当たりの当期純利益」の何倍の水準にあるかを表します。

つまり倍率が少ない方株価が利益に対して反映されていない=割安という事になります。

計算式は下記の通りです。

例えば

「株価50万円、発行済み株式数100株、当期(予想)純利益500万円」という企業があったとします。

この会社の株式をすべて購入すると5000万円(50万円×100株)で当期純利益500万円の会社のオーナーになれます。

この会社は当期純利益が500万円なので、購入した5000万円の元を取るには「10年」かかるという事になります。

PERが(何倍)と言っているのはこの「10年」の事をさします。

なのでこの株式は=PER10倍という事になります。

これはこの会社の1株=50万円を買ったとしても同じことです。

1株換算すると=1株の当期純利益は「5万円」という事になりますから50万円の元を取るのはやはり「10年」ですね

なのでPERは=10倍という事になります。

会社の全株を買おうが、一株を買おうがPERの「倍率」は変わりません。

株価(1株当たりの投資資金)が企業の利益に対してどのくらいで回収できるか示すもの

つまり

「株価」が高いと元を取るのに「年数」が増えていく=PER(倍率)が上がる

「株価」が低いと元を取るのに「年数」が減っていく=PER(倍率)が下がる

なのでPERの数値が低いほど今の株価は企業の利益に対して「割安」だと言われるのです。

こう考えると意外に単純に思うかもしれませんが、やはり株価指標はそんなに単純ではありません。

次にそのPERの注意点を解説していきましょう。

PER使用上の注意点

一株当たりの当期純利益は予想値を使う

PERの計算式で用いられるのは当期純利益の(予想値)です。

なぜ予想値を使うかというと、株価は将来の業績を盛り込んで動くためです。

そのため既に終了した期の業績値を使うとPERの有用性が低下してしまうのです。

自分で四季報などの予想値から計算する場合は問題ないのですが、基本的にはYahoo!ファイナンスや各証券会社のサイトに記載されているPER値で確認する人が大半です。

しかし、サイトによってはそのPER値が(予想値)ではなく既に終了した実績値で計算されている可能性もあります。

実際に使っているサイトのPERが予想値で計算されているものなのか、実績値で計算されているものなのか、は確認しておきましょう。

企業の利益がいつも安定しているとは限らない

PERの計算には1株当たり(予想)当期純利益を使って計算しますが、

これが意味するところは

1株当たり(予想)当期純利益が今後も長い間続いていく

という事を前提にして計算されています。

しかし、実際の企業はそうではありませんね。業績を悪化させたり、逆に経営を持ち直したりと様々です。

特に毎年業績が低迷していく会社であった場合

いくらその時点で低PERだったとしても、そこからどんどん利益が下がっていけば結局割高になってしまう事もありえます。

逆に高PERだったとしても、どんどんと利益が上がっていけば実は割安だったという事になります。

GAFAMのグロース株が「高PER」という理由はここにあります。

引用元:「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書/著・足立武志」

上記の表だと

C社が一番「割安」だと見えますが、今後5年間の1株当たり(予想)当期純利益合計に照らし合わせると共に3倍でA社B社も決して割高ではなかったというのが分かります。

また、C社が今後業績を悪化させていけば逆に「割高」となってしまう可能性も秘めています。


ここがPERの難しい所ですが、単に10倍だから割安とか50倍だから割高とはいえません。

投資を始めたばかりの人はその企業が安定的に利益を上げているか?業績は不安定じゃないかという事をまず確認してから

そのPERが10倍程度であれば「割安」と考えていいでしょう。

またその企業の「実質PER」を算出してみるのも予想PERを見極める参考になります。

実質PERとは特別損失などを影響させない当期純利益として「経常利益×65%」を元に計算すれば算出できます。

※65%というのは法人税35%を考慮した数値です

参考元「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書/著・足立武志」

この実質PERを求めて今のPERが妥当かどうかを見比べてみてもいいでしょう。

企業が業績予想を修正しないと変動しない

PERの計算は企業の業績予想の当期純利益によって計算されます。

しかし、プロの投資家など様々な情報からその企業が経営悪化し始めた気づく場合があります。

そうなると企業の決算発表を前に株価が低下して、それによってPERも低下します。

株価が投資家の予想を織り込んでいるという事ですね。

しかし、それを知らない個人投資家は低PERになった事で「割安」だと勘違いして経営悪化している企業の株を購入してしまいます。

そして決算の時点で業績が下方修正されると一気に株価が下落してしまい「割高」な状態で株を購入していた事に気付くのです。

つまり、株価が下落傾向である場合はいくら「低PER」になったからと言って安易に飛びつかず、下落した事実受け止め業績悪化を疑う姿勢が必要です。

逆に経営状態が安定的で株価が上昇傾向であれば、たとえ「高PER」でも購入してみるのも手です。

低PERに飛びついてはいけない注意点

PERが低いまま放置されている状態は以下の理由が考えられます。

①株式市場全体が下落、低迷しているなどの影響で企業の実態より売り込まれている

②業績の悪化や成長の鈍化を株価が先取して織り込んで下落している

③不人気のため安値に放置されている

引用「株を買うなら最低限知っておきたい ファンダメンタル投資の教科書/著・足立武志」

1や3であるならば正真正銘「割安」なので購入を考えて大丈夫ですが、2の場合であれば問題です。

先ほどもお話ししたように株価がその企業の業績悪化を盛り込んで下がっている場合があるので株価の下落が止まるまではうかつに手を出さないことです。

PERが変動する要因は分子の「株価」が変動するか

もしくは分母の「一株当たり(予想)当期純利益」が変動するかの2つです。

もし1株当たり(予想)当期純利益が増額されてPERが低下している場合は

「業績の伸びに株価が追いついていないことによる割安感の強り」なので良い兆候です。

買いのサインですね。

しかし、1株当たり(予想)当期純利益は変わりないまま、株価が下落することによりPERが低下している場合は

  • 株価が本当に割安になっている。
  • 業績悪化、成長鈍化を株価が盛り込んだ結果、見せかけの割安になっている。

の二つのパターンに分けられるため慎重な判断が求められます。

そういった場合は、株価の下落が止まるまでは手をださない事をお勧めします。

まとめ

いかがだったでしょうか、今回は銘柄選定で割安を判断する株価指標「PER」について解説していきました。

「PER」一つとっても奥が深く、様々な要因で構成されているので「PER」だけで判断するのは難しいですね

その数値だけを鵜呑みにするのでなく、その裏にどのくらいの確信があるのかはやはり企業を深く知る必要があるという事です。

では今回のまとめです

  • PERは株価収益率であり株の割安判断の材料にされる
  • PER10倍の会社は利益で純資産を築くには10年かかると計算できる
  • 低PERであっても業績悪化で割高に、高PERでも成長性があれば低PERになる
  • 低PERでも株価が下落している場合は要注意

このほかにも「PBR」や「配当利回り」など銘柄選定に必要な知識はたくさんあるので、今後も紹介していきたいと思います。

何よりも「PER」だけで銘柄を決定するのではなくそのほかの「PBR」「ROA」「配当利回り」など様々な指標を駆使して総合的に判断していきたいですね。

使っていくうちに必ず慣れていきます。

一つ一つ理解して使いこなせるようになりましょう。

みなさんの充実したマネーライフを応援しています!

Written by NAOMARU

参考書籍

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