最近SNSなどで話題の「FIRE」略さずにいうと
Financial Independence, Retire Early
つまり、「経済的自立,早期リタイヤ」というものです。
そのFIREを達成した著者によって書かれ、FIREを目指す人々に広く読まれているFIRE本の火付け役となったのが本書です。
FIRE 最強の早期リタイア術 最速でお金から自由になれる究極メソッド
著者/クリスティ―・シェン&ブライス・リャン

この記事ではFIREに必要なマインドやテクニックなど。
本書からうかがえるエッセンスを凝縮して解説していきます。
- 本書の概要
- FIREにとって重要視すべきエッセンス
- FIREを成功させたポートフォリオ
- FIRE後の暴落時での対処方法
本の概要
クリスティ―・シェン氏の幼少期の貧困時代から話が始まる。
著者はそこで育まれた「欠乏マインド」が今後の人生で早期リタイアを構築する上でとても役に立ったと語っている。
そして本書にその秘訣を教えているが著者は何度も次の事を口にしている
「お金を理解すれば、人生は信じられないほど気楽なものになり、お金を理解していなければ、人生は信じられないほどつらいものになる」
そして著者が実践してきた事は決して難しいものではなく、誰でもできる事の組み合わせによって最大限の効果が発揮できるということも伝えている。
借金は最大の敵

著者は本書の中でまず最初に「借金とは決別すべき」と説いている。
なぜなら複利の力は投資に回せば大きな力になるが、借金に回すと大きなマイナスの力になるということだ。
特に利率が高いものはすぐにでも返済すべきものであり「消費者ローン」からは絶対に借りないという事を明言している。
そこには極端に借金を恐れる「欠乏マインド」が根底にあったが。
特に消費者ローンは金利が高く15~20%の利率はいくら投資で4~5%の運用をしてもすぐに消し飛んでしまう。
なので早期リタイアを目指すならばまず最初に倒さなければならない相手だと言える。
現代ポートフォリオ理論
著者が本書で説いている現代ポートフォリオ理論とは
ボラティリティ(リスクの上下幅)の高い株式だけに投資するのではなく
ボラティリティ低い債券や、カントリーバイアス(自国の株を優先してしまう心理)を避け
いくつかの国の株式に投資するようリスク分散することで暴落が起きてもショックを和らげるポートフォリオ構築の手法である。
著者は債権4:株式6という配分にしており、株式も個別株ではなくETF(上場投資信託)にしている。
ETFにする理由は複数の会社で構成されておりデフォルトの危険を考えなくてよいという点である。
著者はここでも「欠乏マインド」に従ってリスク回避を徹底している。
また、ETFもアクティブ運用のものではなくインデックス運用のものを徹底して推奨している。
それはアクティブ運用するものが高額な手数料の割りにインデックス運用に勝てない事が明白だからである。
収入より貯蓄率が重要
著者は決して高収入だったわけではない、ただ早期リタイヤをするには「収入」を上げるか「投資」を上げるか「貯蓄」を上げるかを選択しなければならない。
その中で多くの人が出来るもっとも簡単な選択は「貯蓄」を上げる事である。
そのために自分に本当に必要なものかを判断し削減していく、節約していくことで著者は貯蓄率を上げていった。
特に著者はステップに分けて
「ステップ1:あなたを幸せにしない基礎的な支出を削る」(利用してないサブスクの解約/視聴してないケーブルテレビのチャンネル/固定電話)
「ステップ2:痛みを伴う支出を削る」(外食・仕事中のランチを外で買う/ジムの会員)
「ステップ3:所有している高額なものを減らす」(ハイオクのガソリン車/住居)
ただ、削るばかりだとそれこそ続かないとも言っていて、そこに自分へのご褒美としての支出を加えるように説いている。
暴落が起きた時の5つのバックアップシステム
暴落は予想できないが必ず起きる。
そのために著者は5つのバックアップシステムを提唱している。
その1:利回りシールド利用(ポートフォリオの中に高配当ETFや優先株ETF、REITを組み入れることで利回りを上げて、暴落時でも株を売却することなくキャッシュフローを得る方法)
その2:現金クッションの利用(普通預金に生活費1年分の現金を貯めておき、暴落時でも株を売却せずにその現金でやり過ごす)
その3:地理的アービトラージを使って生活費を抑える(ようは物価の安い地域に移動する/著者が世界旅行者だから出来る事ではある)
その4:サイドハッスルする(サイドハッスルとは副業の事/資産からのキャッシュフローだけでなく、もう一本収入の柱が少なくてもあれば安定する)
その5:一時的にパートタイムの仕事に復帰する
まとめ
本書はいわば「投資本」である。
著者がどのように早期リタイヤをしたかを書いてはいるが、
そのメインとなるのは「現代ポートフォリオ理論」でリスク分散し、
インデックスETFで指数に投資し、4%ルールに則って上昇相場の時に売却し、
暴落時には配当金と現金クッションで乗り切り絶対に資産を切り崩さないというもの。
そしてその資産構築のために節約や、支出を抑え貯蓄率を上げよう。
というものである。
著者が何度も言っているように
「やることは決して難しいものではなく、誰でもできる事の組み合わせによって最大限の効果が発揮できる」
という言葉通りの内容である。
わりと知っていた事が多い内容だったので復習的に読むことになったのだが、それでも世界旅行を毎日続けている人がいるというのは自信が持てる裏付けになった。
Written by NAOMARU
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