みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。
この記事では子供と学べるお金の基礎知識をご紹介しています。

今回のテーマは「投資商品の種類」についてお話します。
具体的な買い方までお伝えしていきます!
前回の授業で投資にはいくつもの商品があってそれにはリスクがつきものだというお話をしました。
そして投資家達はそのリスクを回避するために様々な投資法を編み出していきました。
今回はその投資法を使ってどんな商品を買うのかをお伝えします。
投資商品にも様々なものがありそれぞれ特徴があります。
株式投資の具体的な商品やその買い方までご紹介していきます。
子供と学ぶお金の授業【8限目】株式投資③~投資商品の種類~

株式投資におけるリスクや回避方法は分かってくれたかな?

うん!「リスク分散」が大事って事だよね!

そうだね、それが分かっていれば株式投資を始められる準備が出来たよ

でも、証券会社に口座を開設ても沢山商品があって迷っちゃうな

そうだね東京証券所に上場してる会社だけでも3700社以上、投資信託の数は6000本ぐらいあるんだ

えええ!そんなにあるの!
そんなの選べないよ、そもそも投資信託ってなに!?

そうだね、投資の商品が分からずに無暗に買ってしまうと損してしまう事もあるんだよ

ええ!損することもあるの⁉

そうしないためにもどんな投資商品があるのか、その買い方も含めて説明するね!

お願いします!
個別株
個別株とは企業が発行している株の事です。
個別株投資は1社の企業にお金を投資してその利益を分配してもらうという「株の基本」です。
そのため、企業のオーナーになるという経験を得るとてもいい投資ではありますが、1社に対して集中投資する事になりますので、信用リスク(倒産による株が紙くずになるリスク)は避けては通れません。
そのため会社のIR情報(※投資家情報=企業が業績を公表している)をみて企業を分析する必要があります。

営業利益や負債比率などをみて倒産しないかを見極めてから投資する必要があるため、初心者にはハイリスク・ハイリターンな投資であると言えます。
どちらかと言えば投資に慣れてきた中級者、上級者向けです。
また個別株にも様々な種類があります。
- 日本株
- 外国株
- 未公開株
- IPO
日本株
日本株はまさに日本で起業している会社の株の事。
基本的には「東京証券取引所(=東証)」で売買されていますが、トヨタ自動車やソニーなどの大企業は東証のほかにも「ニューヨーク証券取引所」等でも売買されている事があります。
名前を知っている会社や自分が使っているサービスの会社など親しみがある会社に投資することができます。
企業情報もホームページが日本語のため入手しやすいというメリットがあります。
外国株
外国株は主に「ニューヨーク証券取引所」や「ナスダック」など海外の証券取引所で売買されている銘柄です。
日本の証券会社でも外国株は取り扱っているので簡単にマイクロソフトやAmazonといった外国株を買う事が出来ます。
日本株の場合「単元=基本の売買株数」は100株からと定められていますが、外国株は1株から購入できるため少額から購入できるメリットがあります。
しかし企業情報が英語だったり、海外の情報をいち早く入手できなかったりする場合があるので、会社の状態を把握しづらいというデメリットがあります。
[マイクロソフトの企業情報]

また、為替の影響をうけたり売買益に対して外国の税金を払う必要があります。
未公開株
未公開株とは東証に公開されていない株の事。
一般に公開されていないので売買は出来ません。会社の関係者などが保有していることが多く、当事者間での売買であれば可能です。
未公開株は特性上、東証に公開されると大きく値を上げることがあるため「あなたにだけ特別にお売りします」など、それを謳った詐欺なども多く発生しています。

IPO
Initial Public Offeringの略語で、日本語では「新規公開株」と表されています。
新規公開株とは東証に新しく上場する株式の事です。
東証に上場されると一般の人が証券会社でその企業の株を購入できるため企業は多くの資本を得ることができます。
この新規公開株の一番最初につく値段「初値」で購入する事を「IPO投資」と呼ばれます。
なぜ初値が重要かというと、この新規公開株の初値は過去の成績から見てもかなりの確率でその後上昇しているからです。
そのためIPOは抽選式となっています。

IPO投資をする多くの投資家がこのIPOを求めて複数の証券会社に口座を作ったり、家族口座で応募したりと当選確率を上げる方法を探しています。
しかし初値は勝ちやすいというのはあくまで確率であって、初値から下落している銘柄ももちろんあります。
株に必勝はありません。
投資信託
個別株は企業一社に投資するためリスクが高くなります。
そのため個別株投資をしている投資家は基本的に何社も個別株を保有してリスクを分散させています。
しかし、個別銘柄を分散投資するにはそれなりの資金力が必要になるため初心者や資金が少ない人には分散が難しいという点があります。
そこで活用したいのが投資信託です。
投資信託とはその名の通り「信じて託す」という投資方法です。
たくさんの株式を保有する投資信託(ファンド)を運用する会社にお金を渡し自分の代わりに運用してもらうシステムです。

簡単に言うとたくさんの野菜(株式)を一人で育てるのは難しいので野菜を育てるプロである農家の人にお金を払って育ててもらうというイメージです。
投資信託は1株ではなく1口という単位で購入します。
そのため100円からでも投資できるので活用すれば少額から分散投資する事が可能です。
また積立設定が出来るのも特徴で、積立設定をしてしまえば後は自動的に積み立ててくれるので忙しい人なども使いやすい設計になっています。
投資初心者や投資資金の少ない人はまずこちらから行うのがおすすめです。

投資信託には大きく分けて二つのファンドがあります。
- インデックスファンド
- アクティブファンド
この二つは大きな違いを持っていますので、投資信託を始める方は必ず理解しておきましょう。
インデクスファンド
インデックスファンドとは「日経平均」や「S$P500指数」「ナスダック100指数」「ダウ平均」など株価指数と同じ値動きを目指すファンドです。
株価指数とは一定の基準を決めて集めた銘柄の中から株価の動きを平均化したものです。
例えば日経平均であれば日本経済新聞社が作成する「日経平均株価構成銘柄選定基準」に照らし合わせて集められた225銘柄の株価の平均値で算出されている指標です。
かんたんに言うと東証で上場している銘柄の日経が優秀と選んだ銘柄225社を全部買うというイメージです。
本当に全部買うととてもお金が掛かりますが、この日経平均のインデックスファンドを買えば全部買った時と同じパフォーマンスを得ることができるという仕組みです。
このインデックスというのは他にも
アメリカ市場の全ての銘柄に連動した「全米株式インデックスファンド」や
全世界の株式に連動した「全世界株式インデックスファンド」などもあり
そのファンドを購入すれば全世界の企業に投資が出来るという最大の分散投資も可能なのです。

アクティブファンド
アクティブファンドとはファンドマネージャーと呼ばれる投資のプロが、銘柄を選んで運用するという仕組みです。
インデックスファンドは指数に連動するように「全部買い」というイメージですが、アクティブファンドは投資のプロが銘柄を「厳選して買う」というイメージです。
なので好調な銘柄があれば購入し、不調になってきた銘柄を売って利益を確保します。
様々な情報を使ってファンドマネージャーが選定を行っているので、アクティブファンドの方が運用手数料が高い傾向にあります。
また短期的にはインデックスファンドよりパフォーマンスが高い時期があっても超長期にわたるとインデックスファンドにリターンで負けてしまうというデータがあります。
それだけ市場平均に勝ち続けるというのは難しいという事ですね。
ETF
ETFとは(Exchange Traded Funds)の略で日本語にすると「上場投資信託」という商品です。
普通の投資信託と何が違うのかというと
投資信託が株式と同じように証券取引所に上場しており、株式と同じような取引を行えるという事です。
簡単に投資信託とETFの違いをまとめると下記のようになります。
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
上場/非上場 | 上々 | 非上場 |
取引場所 | 全ての証券会社 (ネットでも可能) | 販売会社 (商品ごとに異なる) |
取引可能時間 | 市場の取引時間内 | 販売会社の定める時間内 |
取引価格 | リアルタイムで変動 | 1日1回算出 |
信託報酬 | 低め | 高め |
配当金 | あり | 選べる(あり/再投資) |
積立設定 | なし | あり |
大きな特徴としては取引価格です。
投資信託では取引価格(基準価額)が決まるのが1日1回に対して、ETFは上場してますのでリアルタイムに価格が変動します。
また取引時間も市場が空いている時なら売買がいつでもできるETFに対して投資信託は販売会社の定める時間内でしか取引できませんし、翌日に取引が反映されるため土日などを挟むと取引が反映されるまでに時間がかかるという違いがあります。
ETFは基本的には株式と同じなので積立設定は出来ません。
買い増しをする場合はその都度購入をしなければなりませんし、投資信託のように口数ではなく1株という単位で購入するので、1株の値段が高い場合は1度の購入金額が高くなるという事があります。
投資信託⇒1口購入‣100円から購入可能 金額指定で購入
ETF⇒1株購入‣1株の現在価格で購入 株数指定で購入

レバレッジ商品
レバレッジ=てこの原理の「てこ」という意味です。
商品の中身が先物取引などを活用して本来のリターンの2倍や3倍の成果を目指す商品です。
例えば
「NASDAQ100 3倍ブル」という商品は
ナスダック100指数の日々の値動きが3倍になるように目指した商品という事になります。
[レバレッジ商品のチャート比較]

上図はレバレッジ商品の比較チャートです。
チャートがナスダック100指数でオレンジ色がナスダック100の2倍レバレッジ、水色が3倍レバレッジの商品の価格推移です。
確かに直近は元の指数よりもかなりの差で利益を出していますが、暴落時は指数よりも大幅に下落しているのが分かります。
値上がりをしたら3倍の値上がりをするためとてもリターンが高い分、値下がりをした時も3倍の値下がりをしてしまうためとてもハイリスク・ハイリターンの商品になります。
そのため多くの人が暴落時に狼狽売をしてしまうため投資経験の浅い人にはお勧めしません。
~ブル・ベアってなに?~
株式相場ではブルやベアという言葉が使われる時があります。
ブルとは牛が角を突き上げているイメージから=強気・上昇相場を表しています。
ベアは逆に熊が爪を振り下ろすイメージから=弱気・下落相場を表しています。
上記の商品のように「○○ブル型」や「○○ベア型」と商品名についている場合は
ブル型=上場相場で利益が出るように設計されている
ベア型=下落相場で利益が出るように設計されている
と覚えておきましょう。

信用取引
信用取引とはお金を借りてそのお金を使って投資商品を購入するという取引です。
自己資本の大体3.3倍まで借り入れることが出来ます。
例えば
100万円の元でがあれば330万円まで株を購入する事が出来ます。
しかし借りているという事は必ず返さなければならずその返済期間はおおむね6カ月程度です。
その段階で株価が上がっていればその株を売却し返済金を差し引いた額で儲けることができますが、もし株価が下がっていた場合、追加でお金を補填して返さなければなりません。
これを「追加証拠金=追証」と言います。
お金を借りて自分の支払能力以上のものを購入する事は大変危険なのでおすすめはしません。
よく株で破産したという人がいますが、その多くがこの信用取引をしています。
なぜなら現物の株式であればどんなに値段が下がっても0円以下にはなりませんが、この信用取引ではお金を払って返さなければならないリスクがあるからです。
そういった意味でもかなり上級者の買い方になります。
これはお金を借りて株を購入する方法ですが、信用取引の中には「空売り」と言って株を借りることもできます。
空売り
普通株式を売るには株式を保有していなければなりませんが、この「空売り」は先に株を借りてその株を売ってしまいます。
そして返済期間までにもう一度株を買い戻し、株を返すという方法です。
なぜこのような手法が存在するのでしょうか?
それは株の下落局面で利益を取れる方法だからです。
例えば
これから下がりそうな銘柄を見つけたとします。
まだ株価が高い時に空売りをします。
そうすると株売ったお金が手に入ります。
そして、株価が急落してとても安くなった時に借りた分の株を買い戻せば先に高く売った分だけ利益が残るという仕組みです。

しかし、これにも注意が必要です。
株価が思い通りに下落すればいいのですが、想定外に株価が下がらず上昇してしまった場合、株を返さなければならないので借りた金額よりも高く購入して返さなくてはいけなくなります。
どちらにしても信用取引はかなり高度な取引になるため投資初心者は手を出さない方が良いです。
先物取引
先物取引とは将来の売買する価格をあらかじめ決めておき約束した期日になったらその値段で取引をするという方法です。
なぜこのような取引方法があるのでしょうか?
先物取引の発祥は江戸時代の日本の米相場と言われています。
米を全国各地に輸送する場合、徒歩での輸送ですから移動に何日もかかります。
すると終発時点で決めていた売買の価格と到着時点での売買の価格がずれてしまうという事が起こりました。
それをなくすためにあらかじめ買い手と売り手が先に価格を決めて取引を行うという方法が確立されました。
出発時点で先に値段をきめておくので到着時に米の価格が下がっていたとしても約束した金額で取引できるというわけです。
株式でも原理は同じで、先物取引で決めた価格は取引時点では変わりません。
そのため株価が安い時に先物を約束しておけば値上がりした時に安く購入できますし。
逆に高い時に先物を約束してしまったら、期日の時に安くなってもその高く設定した金額で購入しなければいけません。
例えば
1万円の銘柄を先物で予約をします。
それが期日になって株価が1万5千円になってた場合5千円お得に購入できます。
しかし
期日になって株価が8千円に落ちてた場合も1万円で購入しなければならないので2千円損した事になります。
このように先物取引は価格が不安定な株式市場で安定した価格で購入できる方法の一つとして活用されています。

この約束は単に「買う約束」だけでなく「売る約束」もあります。
期日になったらその価格で売るという約束ですね。原理としては買う約束と変わりません。
オプション取引(プットオプションとコールオプション)
先物取引に似ていますが、オプション取引というものもあります。
オプション取引とは特定の商品をあらかじめ決めた約束の期日に「買う権利」や「売る権利」を売買する取引方法です。
これを聞くと先物取引と何が違うの?
と思う人もいると思いますが、
先物取引は商品を買う(または売る)予約に対して
オプション取引は約束した商品を「買う(または売る)権利」に対して予約するというイメージです。
先物取引=売買の予約
オプション取引=売買の権利の予約
ここで重要なのはオプション取引では「権利の放棄」が出来るという事です。
例えば
先物取引で商品を20万円で購入する予約した場合、期日になって商品が17万円となっていても”予約”なので購入しなければなりません。
しかしオプション取引では20万円の商品を”購入する権利”を買っているだけなので、もし17万円に値下がっていた場合は購入せずに「権利の放棄」をすることが出来るのです。
権利の放棄をしてしまえば、現在の価格17万円で再度購入することができるのです。
なので、オプション取引は売買の「保険」に近いイメージがあります。
保険ですのでもちろん手数料が掛かります。
この手数料の事をプレミアムと呼びます。
もし権利の放棄をしてしまうとこの手数料(プレミアム)分だけは損をすることになります。

オプション取引ではこの買う権利のことを「コールオプション」、売る権利のことを「プットオプション」と言います。
「コールオプション」=期日までに○○円で購入できる権利
「プットオプション」=期日までに○○円で売りつける権利
ではこのプットオプションとコールオプションをどのように使えばいいのでしょうか?
簡単にまとめると
コールオプションを持っていれば商品がどんな高値になっても安く買う権利があるので安く買えますし、逆に商品が安くなったら「買う権利」を放棄して安くなった商品を購入することができます。
逆にプットオプションを持っていれば、安くなってしまった商品でも高値で売る事が出来ますし、逆に高値になってしまったら「売る権利」を放棄して現在の高値で商品を売ることができるのです。
このようにどっちに転んでも利益が出るように手数料(プレミアム)を払って保険を掛けるのがオプション取引の簡単な使い方です。
まとめ
様々な投資商品をご紹介してきました。
少し難しかったかもしれませんが、わからないところはもう一度復習して実践してみましょう。
実践する事で身についた知識となって投資の力を育ててくれます。
ただし、先ほど説明した通り信用取引や先物取引、空売りなど自分の収入以上の金額で取引する事はお勧めしません。
単利と複利の時にも話しましたが、基本は収入の範囲内で生活すること
株取り引きも同じ、自分のお金以上の物を買わないのが基本です。
まずは投資信託やETF、個別株などで少額から始めてみましょう!
Written by NAOMARU
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