皆さんこんにちは小市民投資家NAOMARUです。
この記事では子供と一緒に学べるお金の基礎知識について出来るだけわかりやすく解説しています。

今回のテーマは「インフレ」と「デフレ」です。
「インフレ」と「デフレ」と聞くと「聞いたことあるけどよくわからない」という人が多いと思います。
特に経済の話に出てくるのが、このインフレとデフレ。
難しく思えるかもしれませんが、分かってしまえば簡単なです!それに経済の話を深く理解するためにとても大切なことなので、ここでしっかり覚えておきましょう!
子供と学ぶお金の授業【5限目】インフレとデフレ

ねえねえ、さっき駅前で凄い「爆買い」してる外国の人がいたよ

それはね、今の日本の物価がとても安いからなんだよ

え、物価が安い?日本って世界第3位の経済大国なんじゃないの?

そうさ、でも日本はいま「デフレ」だからね。外国人観光客が安い日本の製品をどんどん買うんだよ

「デフレ」!またわからない言葉が出てきた…

前に少し話した「インフレ」とは逆の働きが「デフレ」だよ。インフレは覚えてる?

お金の価値が下がるってことぐらいかな~

そうだね!じゃあここでは「インフレ」と「デフレ」についてもっとしっかり学んでいこう!お金の話ではとても重要なところだからね!

うん!お願いします!
「インフレ」と「デフレ」

インフレとは
お金の価値が下がり、物価が上がること
100円の物が110円になると100円では買えなくなります。言い換えれば100円の価値が下がったという事になるのでインフレです。
価格は需要と供給で決まります。
例えば
お金はあるけど、パンが足りなくなった場合はみんなパンを欲しがります。またお金はあるので欲しい人は誰よりも高い値段でパンを買おうとします。
するとパンの値段はどんどん値上がりますね。これがインフレです。
インフレはお金よりも物が足りない時に起こります。

デフレとは
お金の価値が上がり、物価が下がること
インフレとは逆ですね。
100円物が90円になったら100円でおつりが来ますね、100円の価値が上がり物価が下がればデフレとなります。
これも同じくパンで例えると
お金が少ないのにパンが大量に作られてしまった場合、パンを欲しがる人は少なくなりますね。特にお金を持っている人が少ないので極力安く買おうとします。
するとその消費者に対してパンの値段を下げていかなければなりません。
なので今度はパンの値段がどんどん値下がっていきます。これがデフレです。
デフレはお金よりも物が多い時に起こります。


このように、インフレとデフレは「需要」と「供給」で決まる。それだけなんだ!
インフレ、デフレはお金にも当てはまる?

インフレとデフレは「需要」と「供給」で決まるとお伝えしましたが、これは「お金」にも当てはまります。
海外で商売をするときにその国の通貨にお金を「両替」する必要がありますね。
その時にその国の通貨に替えたいか?という所に「需要」と「供給」が生まれます。
これは「お金ってなに?」の授業でも触れましたが、「お金=信用」で成り立っているんだという事にもとても関わりがあります。
例えば
皆が「円」に両替したい!という事になったら円に交換する人が増えますね。
すると発行している円の数は決まっていますから、円の数が少なくなってきます。
すると少し高い値段でも円に替えようとする人が出てきます。
それで=円高になります。
※円高例
通常1ドル=100円 ⇒ 円高1ドル=90円
90円と安くなったように見えますが、1ドルで90円しか買えないという事なので、円高ですね。
これとは逆に、日本の経済が低迷したり、政治が混乱した時に円を持っていると不安だなと感じた人たちが円をドルに両替したいという人が増えたらどうでしょうか?
円をドルに両替したいという人が増えて「円」の需要が減りますね。
すると円の数が増えます。すると円の価値は下がっていきますね。多くの円を使ってでもドルに替えようとします。
これが=円安です。
※円安例
通常1ドル=100円 ⇒ 円安1ドル=120円
普段だったら100円で交換できる1ドルを120円出さないと交換できないという事です。円が安くなったという事で円安です。

為替とは
円高、円安とは常に別の通貨と対で使われます。それはお金を交換する相手の国がどの通貨を使っているかによります。
このお金を交換することを=為替と言います。
基本は基軸通貨であるドルと対に比較され「円高ドル安」「円安ドル高」という風に言われることが多いです。
このように外国とのお金の交換をやり取りする場の事を「外国為替市場」と言います。
外国為替市場では日々お金の交換が行われその度にお金の価値が変動します。
この外国との取引でお金の価値が変わることを「変動相場制」と言います。
逆に、国がお金の価値を変動しないように固定してしまうのを「固定相場制」と言います。
固定相場制では安定したお金の価値を維持できますが、経済が発展するにしたがって上がるはずのお金の価値の恩恵を受けれないというデメリットもあります。

※日本も昭和の中頃までは固定相場制でした。
今の日本はどっち?
では今の日本はどうでしょうか?
今の日本はデフレです。
経済成長が低くお給料が上がらないため、市中にお金が少ないわりに飲食店や販売店、インターネット販売など物があふれかえっている日本では物が売れないため価格が下がるというデフレ状態です。
そこで日本政府はインフレ率2%という目標を立てて経済政策を行ってきましたが、なかなかうまくいっていません。
ではなぜデフレではいけないのでしょうか?
物の値段が下がれば安く物を買えるという事で生活しやすいと思うかもしれません。
しかし、物が安いという事は売上が少ないという事です。
売上が少ないという事はその販売店で働いている人たちのお給料も少なくなるという事、それはつまりその販売店で働いている人たちの使えるお金が減ることになるので、どんどん経済が弱くなっていきます。
また、先ほどの為替の話でも分かる通り、海外との取引が不利になります。
海外の物が高くなってしまうという事ですね。
輸入をしている会社は海外製品が高くなり利益を上げにくくなります。
iPhoneがあんなに高いのは海外製品であるからでもあります。
ちなみに、冒頭の「爆買い」もこのデフレが関係しています。
物価の安い日本に「爆買い」に来る人が増えます。
これはいい事に思えるかもしれませんが、これが規模が大きくなると外国企業の日本企業買収や、人材買収などが盛んになり、日本にいながら立派な大企業は殆ど外国企業という事にもなりかねません。
外国企業の利益は外国に流れますので、一生懸命日本で働いてもその利益が外国に行ってしまうという事です。

このような事を避けるためにも日本企業の力を強くするために、日本政府はインフレ率を上げることに頭を悩ませているのです。
銀行に預けていてもお金が減る?
今の日本ではデフレが続いています。
インフレ率も横ばいで「失われた30年」とまで言われています。
そのため政府がインフレ率2%目標を掲げているのは先にお伝えしました。
ではインフレ率が2%になってインフレが加速するとどうなるでしょうか?
会社が社員に多くの給料を払い、その人達が街中で買い物をすることで市中に回るお金が増えるという事です。
それで経済が回りインフレになります。そこで先ほどの式に戻ります。
インフレ=お金の価値が下がり、物価が上がる
という事になります。
この「お金の価値が下がる」事に一番影響するのは何でしょうか?
じつは「銀行預金」です。
銀行預金は銀行にお金を預けて銀行に運用させて利息をもらうという行為だというのは以前の授業でお話ししましたね。
しかし、今の銀行預金の利息は0.001%
これがインフレ率2%でお金の価値が下がっていったらどうなるでしょうか?
銀行の利息でお金が増えるスピード以上にお金の価値が下がっていってしまいます。
つまり今現預金で持っている100万円の価値がそのままの価値でなく、もっと下がってしまうという事が起こるのです。
昔のサラリーマンの初任給が2,000円だったのは1000円の価値が高かったからです。今の100万円が未来も同じ価値とは限りません。
これを「インフレリスク」と言います。

利息で増えるよりも大きくお金の価値が下がってしまったら現預金で預けていてもお金は減っていると同じ事なのです。
もちろん、インフレになればお給料も上がるはずなので、銀行に預ける金額も増えるとは思いますが、
銀行にお金を預けていたら絶対安心と思っている方はこのインフレリスクをしっかりと意識しておいてください。
まとめ
このようにインフレとデフレは難しい言葉に聞こえますが、理解してしまえばとても簡単なことです。
それに私たちの生活に密着したことなのでちゃんと意識しておきましょう。
そしてインフレリスクがある事も覚えておきましょう。
では、インフレリスクに備えるにはどうすればいいのでしょうか?
例えば
それにはインフレよりも高い利回りで運用するという方法です。
※「利回り」とは投資した金額に対する利益の割合のこと。
インフレ率2%を目標としているならば自分の持っているお金を利回り5%で運用すればインフレに負けずにお金が増えるという計算になります。
その運用こそが「投資」です。

次回はついに「投資」について学んでいきたいと思います。
ぜひお金の知識を身につけて、インフレに負けないお金を増やす力を育てましょう。
Written by NAOMARU
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