今回は個別株と投資信託(主にインデックスファンド)の、結局どっちがいいの?
という疑問について考えていきたいと思います。

基本的にはインデックスの投資信託がベストだと思うけど
確かに投資初心者にとってはインデックスの投資信託は最適解の一つですね。
しかしインデックスの投資信託には弱点があります、それは
インデックスファンドは業績の悪い企業もすべて含まれているので暴落に弱いという面があります
優秀な大企業が集まっているS&P500ですら金融危機に陥ると-50%など平気で暴落します。
しかし、業績のしっかりした企業であれば金融危機が起こっても乗り切る事が出来ます。

これはリーマンショック時のS&P500連動インデックスファンドSPY(ロウソク足)とヘルスケア大手P&G社(オレンジ線)の比較チャートです。
ヘルスケアはディフェンシブセクターのため下落に強く、リーマンショックで大暴落したS&P500に比べて高いパフォーマンスを誇っています。
このように足を引っ張ってしまう企業も全て含まなければいけない事がインデックスファンドの一番の弱点と言っていいでしょう。

でも市場平均に個別株が勝つのは難しいんでしょ?
その通り、個別株投資で市場平均に勝つことはとても大変です。
リーマンショックの後、S&P500がP&G社よりも数倍アウトパフォームしている事は言うまでもありません。
しかし、個別株には個別株の魅力があります。
今回はそんな個別株と投資信託(インデックスファンド)のそれぞれの魅力に迫ります。
個別株と投資信託、どちらにしようか悩んでいる人はぜひこの記事を読んでその投資特徴を理解し、投資方針の参考にしてみてください。
- 個別株のメリット・デメリット
- 投資信託のメリット・デメリット
- 個別株と投資信託を使った投資戦略
※この記事は投資手法についての見解を示していますが、投資はあくまで自己責任でお願いします。
【初心者向け】個別株と投資信託、どっちがいいの?
個別株は自分好みに運転できるマニュアル車
個別株投資は個別の企業に投資してく手法です。
そのため長期投資であればその企業の決算や財務状況、株価の割安さを分析し、短期トレードであればその時の相場の需給を見て売買を行います。
初心者の方が株取引と言ったらまず、この個別株を想像するのではないでしょうか。
個別株は一つの企業に集中投資する為、日々の値動きがとても激しくなります。
そのため平均を取るように設計されたインデックスファンドに比べてかなりリスクが高くなります。
その反面上昇も大きくなるためインデックス投資よりもパフォーマンスが高くなることもあります。

Appleの株なんか有名だね!
その通り、Appleの株はS&P500のインデックスを数倍アウトパフォームしています。
下はS&P500ETF(青線)とApple(オレンジ線)の比較です。

このように個別株には夢がありますね。

でもこんな銘柄見つける方が大変だよ
そんなことはありませんよ!?
例えば大企業からなるS&P500であってもパフォーマンスの足を引っ張る企業が数百と存在します。
それであれば有名な上位5社、GAFAM(Google.Apple.Facebook.Amazon.Microsoft)だけを買っただけでもS&P500を簡単にアウトパフォームできます。
かの投資の神様ウォーレンバフェットも「優秀なものに分散投資せよ」と言っています。
このように個別株だからと言って無数にある銘柄群の中から選ぶのではなく、選りすぐられたインデックスの中でさらに上位の銘柄をスクリーニングするという方法でも個別株の選定は可能なのです。

これならくろぶたにも出来そうかも…
しかし、個別株に投資するうえで忘れてはならない事があります。
それはデフォルト(倒産)リスクとメンテナンスです。
個別株は一企業に投資する行為なので、常にデフォルトリスクを伴います。
倒産してしまった場合、株券は紙切れになってしまうので必ず決算発表などがあれば決算書に目を通し事業が順調に言っているのか、負債が膨らんでいないかなどをチェックする必要があります。
そしてもしリスクが高まっているようであればその銘柄は売却し別の銘柄に変更するというメンテナンスを行ってください。

なんだか面倒・・・
そうですね、市場平均を上回るにはそれなりに手間が必要だという事です。
しかし、その反面自分好みのポートフォリオに組み替える楽しみもあります。
金融緩和でハイテクグロース銘柄が伸びそうならばその株を買い増し、住宅バブルになりそうだったら不動産関連株を買ってみる、景気が良くないなら高配当の割安銘柄を買い増すなど。
道路の状況を見て加速したい場面でギア変して思いっきり踏み込んで加速できるのがマニュアル車の楽しみ方です。
そういう意味でまさに個別株投資はマニュアル車といえるでしょう。
また個別株には投資信託にはないメリットがあります。
配当金と株主優待
個別株投資の魅力の一つに配当金があります。
投資信託にも分配金というものがありますが、『毎月分配型』の投資信託等は大半がタコ足配当と言われあまりいい商品がありません。

分配金なら海外のETFはどうなの?
確かに海外ETFには高配当ETFというジャンルで様々なETFがありますが、海外のETFは配当金に外国税が二重にかかったり、為替の影響によっては目減りしてしまう事もあります。
日本株での配当金は金融所得課税20%以外はかからず円で貰えるため安心感がありますね。
また株主優待という制度もあります。
株主優待とは持っている株数に応じて会社の生産品やサービスを受けられるというものです。
株主優待は会社によって様々なものが送られてくるので単純にうれしいですし、その会社のオーナーであるという特別感を与えてくれます。
以上の事を踏まえると、個別株は選定や投資方法が難しく投資中級~上級者向けといったところですね。
しかし、株式投資を始めて、投資に興味を持ったりしたら自分の好きな企業に投資てみるというのはいいかもしれません。

個別株は投資を楽しむことが大事なんだね
- ハイリスク・ハイリターンなため市場平均よりも高いパフォーマンスを期待できる。
- 配当金を得る事ができる。
- 株主優待を貰える。
- 企業のオーナーである特別感を得られる。
- 常にデフォルト(倒産)のリスクがある。
- 決算書などで企業の業績を確認する必要がある。
- 企業の業績が落ち込んできた場合、自分でメンテナンスする必要がある。
投資にとらわれたくない人は投資信託一択
先に述べたように個別株を保有してしまうとどうしても株の事を考える機会が増えます。
しかし、世の中にはお金を増やしたいけど投資の事は考えたくない!という方がほとんどです。
確かに本業を抱えているのにいちいち別の会社の業績を気にしていたら疲れちゃいますね。

仕事が大変なのに投資でメンタルやられたくないよ
そもそも個別株でも一つの銘柄だけではデフォルトリスクがあるので様々な株に分散投資しなければいけませんし、分散しすぎると結局インデックスにパフォーマンスは近づいてきてしまいます。
特に投資初心者の方は、初めての投資に不安が多いので分散を効かせたい。でも、メンテナンスは面倒でわかりずらいという方が多いでしょう。
そういった方はやはり投資信託一択ですね。
投資信託の強みは何といっても「オートモード」だという事です。
有名な指数S&P500であれば、アメリカ企業の中でもトップ500社に分散投資がされている上に。指数自体に組み入れられること自体が難しいため業績が落ちてきたらすぐに銘柄が入れ替わります。
そのため個別株のようにデフォルトリスクや、メンテナンスを気にすることはありません。
しかし、それでも投資信託では注意しなければいけない事があります。
まず個別株になくて投資信託にあるのが「手数料」です。

たしかに!メンテナンス費用という考え方だね
そうですね、とくに投資信託は手数料の高い粗悪な商品が多くある事が問題です。
そのほとんどはアクティブファンドではありますが、インデックスの中でも手数料の高いファンドも存在します。
投資信託は始めた後はオートモードではありますが、その前の商品選定はしっかり見極めなくてはいけません。
もし信託報酬の高い投資信託を選んでしまうと、毎年多くの手数料を払った割にパフォーマンスが悪いという事にもなりかねません。注意しましょう。
インデックスファンドは「投資力」が成長しない
冒頭でお話したようにインデックスファンドは良くも悪くも市場平均です。
いい会社も悪い会社も全部乗せです。
そのため景気がいい時は全体が株高になり上昇していきますが、いざ景気後退期になるともろにパフォーマンスに影響してきます。
その為、投資に煩わされたくないという人でも経済ニュースは投資をする上で最低限見ておく必要があります。
それは、出口戦略においても同じことです。
投資信託、特にインデックスファンドを運用している方は出口戦略で悩まれています。
資産形成期を終えと取り崩し期間に移行した後の投資戦略。

増えた資産をただ取り崩せばいいんじゃないの?
そう思われるかもしれませんが、今まで「オートモード」で積み立てていた人達が、いざ取り崩しとなると急に投資商品と向き合わなければいけません。
そんな時に暴落が来てしまって取り崩し比率を変えてしまったり、暴落に狼狽して全て売却して撤退してしまう、という事にもなりかねません。
特に引退後は他に収入が無い中で、積み上げてきたものをいざ取り崩していくとなるとかなり精神的ストレスを受けると思います。
しかし、個別株投資をしてきた人であれば常日頃、企業の成績や株価に対峙してきているので「投資力」が磨かれ、暴落耐性が出来上がっているため適正な企業を売却したり、配当金でインカムを得るなどの方法で対処できるのです。
この「オートモード」で運用できるというのは資産運用の苦手な人にはとてもいい商品ではありますが「投資力」を身に着けるという点では心許ないのです。

投資信託とはいえ「ほったらかし」はいけないんだね
- 広く分散されデフォルトリスクを考えなくて良い
- オートモードでポートフォリオをメンテナンスしてくれる
- ある程度放っておいてもいい成績を収められる
- 市場平均はとても優秀
- 手数料(信託報酬)というコストがかかる
- 足を引っ張る会社もあるので良くも悪くも市場平均
- 出口戦略で悩むなど、投資力が身につかない
まとめ
いかがだったでしょうか、今回は個別株投資と投資信託のどちらがいいのかを考えてみました。
どちらも一長一短それぞれ特長があるので、その特徴を知るという事が第一歩だと思います。
なにもどちらかだけをやらなければならないという決まりはありません。
どちらもやってみたいのであれば「コアサテライト戦略」というものもあるので参考にしてみてください。
詳しくは下記の記事で☟
また、日本の個別株は100株単位の取引ですが、最近では単元未満株の取引専門の証券会社も増えて1株から取引できるので気軽に個別株を始められます。興味があればぜひやってみてはいかがでしょうか。
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Written by NAOMARU
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