みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。

株式投資を行う際にいつも頭を悩ませるのがポートフォリオ形成です

- あまりリスクの高すぎるポートフォリオにしたくないな
- とりあえず積み立て投資を始めたけどそれだけでいいのだろうか?
- そもそもポートフォリオの組み方がわからない
こんな方もいるんじゃないでしょうか。
とくに資産運用を始めたばかりの方にとっては投資信託を積み立て投資するだけでも一歩前進なのに
そこからアセットアロケーションを考えなければならないのは大変です。
アセットアロケーションとは
アセット(資産)をアロケーション(配分)するという意味で、株式や債券など様々な投資資産をどういう割合で保有するかという考え方。
そこで今回は「現代ポートフォリオ理論」という考え方をもとにリスクを抑えたポートフォリオの組み方について解説していきたいと思います。
- 現代ポートフォリオ理論とは
- リスクを抑えたポートフォリオの組み方
- 現代ポートフォリオ理論のメリット・デメリット
現代ポートフォリオ理論!? リスク分散したポートフォリオの作り方
現代ポートフォリオ理論とは
1950年代に米国のハリー・マーコウィツ氏が構築した分散投資理論を基盤としている。
資産運用において価格変動リスクを抑えながら一定のリターンを期待するには、ポートフォリオとして多数の銘柄や複数の資産に分散投資するのが有効であるという考え方。
ポートフォリオ全体の価格変動リスクは、組入銘柄の個々の価格変動リスクやその組入比率に加え、同じ連動性の値動きである銘柄の相関関係で決まる。
つまりいくら分散した商品をポートフォリオの中にいれても、それが同じ連動性を持つ商品であった場合リスクを下げることはできない。
例)海外株式(S&P500とNASDAQ100に分散投資)⇒結局同じアメリカ株
海外株式と日本株式⇒結局同じ株式資産

資産を分散したと思っても結局同じテーブルの上に乗っている。これではテーブルが倒れた時にすべての卵が割れてしまう。
むしろ逆相関の値動きをするものを入れなければリスクを抑えることはできない。
例)米国株式と米国債⇒株式と債券は逆相関の値動きをする。
米国株式と日本国債⇒為替が逆相関の値動きをする。円高⇒ドル安/円安⇐ドル高

逆相関の値動きをするものを入れることによってリスク分散される。
日本の年金機構も取り入れた手法⁉
現代ポートフォリオ理論はとても優秀な考え方であり日本の年金機構GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)もこの考え方を参考にポートフォリオを組んでいます。
ちなみに知らない方もいらっしゃるかもしれませんが、私たちの年金もこのGPIFによって運用されています。
しかもかなり優秀な成績を収めており、市場運用を開始した2001年度から2019年度までの累積収益額は、+57兆5,377億円となっています。
そんな優秀なGPIFのポートフォリオがこちらです。

きれいな四分割ですね。
しかも株式と債券の半々、これは株式と債券が逆相関の動きをすると考えているからです。
債券を入れてもリターンは減らない⁉
株式投資の投資信託、特にS&P500やNASDAQ100のインデックス投資信託を積み立てている方などは債券を組み入れることに抵抗感を持つ方もいるかもしれません。

せっかく成長する株式に投資してるのに、債券を入れることでリターンが減るんじゃない?
S&P500なんか500社に分散されているから安心なのでは?
そんな考えの方は次の表をご覧ください。

これは2005年から2020年までのリターンの推移です。
びっくりするぐらい順位が変動していますね。
外国株式が1位の時もあれば国内債券がリターンで1位を取る年もあるのです。つまりひとつの資産だけ運用するのはかなりのリスクであり、価格変動に耐えられないということです。
さらに「4資産分散」が平均して中央値にあることを考えると安定した資産運用を考えている人にはやはり有益な運用方法だと考えられます。
実際にポートフォリオを組んでみる
では実際に現代ポートフォリオ理論をもとにポートフォリオを組むとどのようなアセットアロケーションになるのでしょうか?
実際に売っているインデックス投資信託をもと組み立ててみましたのでご参考ください。
※これは単なる一例ですので、最適解ではありません。投資は必ず自己責任で行ってください。
- たわらノーロード 先進国株式 (先進国株式)20%
- eMAXIS Slim 新興国株式インデックス (新興国株式)5%
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ日経平均インデックスファンド(国内株式)25%
- eMAXIS Slim先進国債券インデックス(先進国債券)20%
- iFree 新興国債券インデックス(新興国債券)5%
- <購入・換金手数料なし>ニッセイ国内債券インデックスファンド(国内債券)25%

海外株式は先進国と新興国で別れてしまうので自分のリスク許容度に合わせて配分してみてください。
上記は単なる一例ですが、このように債券を混ぜることによってリスク耐性のある広く分散した安定した資産運用が可能になってくるのです。
ではこの現代ポートフォリオ理論ですが、デメリットはないのか?というと
デメリットもあります。それを次にご説明します。
現代ポートフォリオ理論のデメリット
リスクを抑えた運用でリターンを上げられる現代ポートフォリオ理論ですが、一方でデメリットも存在します。
それが下記になります。
- 個別株投資や集中投資に比べればリターンは劣る
- 株式と債券だけでは経済のグローバル化に対応できていない
当たり前ですが個別株投資や集中投資に比べればやはりリターンは劣ります。
しかし個別株にはデフォルトのリスクがありますし、集中投資では暴落時に「狼狽売り」をしてしまう可能性もあるため、それがデメリットになりえるかは個人の意識次第ではあります。
それともう一つの懸念事項として経済のグローバル化に対応できていない、というものです。
先ほど株と債券、海外と日本に分けましたが、近年のグローバル化に伴い一部の地域での暴落が世界にも影響する時代になってきたためカントリーリスクを回避できないということが起こってきています。
例えば、アメリカ市場が大暴落を起こすとそれにつられ日本株も下がり、さらには国内債券までもが下がってしまいます。
実際に今回のコロナショックでも下げ幅は違えど先進国株、先進国債券、日経平均、国内債券ともに2020.3月時点で暴落しているのがわかります。

先進国株式

先進国債券

日経平均

国内債券
カギを握るのはオルタナティブ資産
このように近年のグローバル化に伴い現代ポートフォリオ理論を強化するためには伝統的資産と呼ばれる株式・債券のほかにオルタナティブ資産(代替資産)を組み入れる必要があるといわれてきています。
オルタナティブ資産とは
株式・債券以外の資産を指し、いくつもの投資商品が存在する。
コモディティ…金やプラチナなどの鉱石類。ガソリン、原油などエネルギー系など
不動産…REITなど
デリバティブ…「金融派生商品」と呼ばれ先物取引や仮想通貨など
上記は一部であり、ほかにもたくさん投資商品があります。
オルタナティブ資産は多岐にわたり、複雑な商品もあるため投資を始めたばかりの人は手を出さない方がいいです。
とくに先物取引や仮想通貨など逆に大きな損失を被る可能性もあります。
しかし、その中でも金やREITであれば実体があるものなので、ポートフォリオの一部であれば組み入れてみるのもいいでしょう。
アセットアロケーションは年齢によって変わる
最後にポートフォリオのアセットアロケーションは年齢によって変わるということをお伝えします。
資産運用をする方は人によってさまざまなケースがあります。
20代独身の場合と40代で家庭ありの場合ではその人のリスク許容度は全く異なります。
そのため年齢に応じて株式や債券、現金の割合を変えていく必要があります。

20代独身であれば80%株式20%債券で攻めたり
40代妻子ありであれば株式50%債券50%で安定的に運用したり
60代定年間近であれば債券80%株式20%で徐々に現金に換金していく
など年齢や生活環境の変化に応じてリバランス(調整)していくことが大切です。
それが資産運用なのです。
以上、
今回は「現代ポートフォリオ理論」を通してポートフォリオの作り方を解説してきました。
参考になったらうれしいです。

みなさんの充実したマネーライフを応援しています☆
Written by NAOMARU
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