保険貧乏⁉知っておきたい必要な保険の選び方と日本の保障制度

投資情報

みなさんは「保険貧乏」という言葉をご存知ですか?

将来が不安でいくつもの保険に入ってしまい、毎月の保険料の支払に追われて将来の貯蓄が出来ず結局不安は消えないままになってしまう事です。

しかし、保険の性質やこの日本という国の社会保障をしっかり理解すれば漠然とした不安は解消され不必要な保険に入る事もなくなります。

そうすれば将来への貯蓄を増やすことが出来るのです。

なんてったって日本は世界に誇る「社会保障大国」!

この記事はこんな人に向いています

  • 毎月の保険料が高くて貯金が貯まらない
  • 今入っている保険が適切か知りたい。

この記事では保険の性質をわかりやすく解説し、どんな場合に保険に入ればいいのか、必要な保険とはどんな保険か?をわかりやすく解説します。

また、日本の社会保障制度も併せて紹介し、民間保険に入らなくても社会保障で殆どのことが保障されている事を理解できます。

この記事を読めばきっとあなたの今入っている保険が必要かどうか判断しやすくなるはずです。

まずは保険の在り方を正しく理解し。保険で対応するものを見極めましょう。

本書でわかる事
  • 保険の性質が分かる
  • 必要な保険、不必要な保険がわかる
  • 日本の社会保障が分かる
スポンサーリンク

保険の役割

まずは保険の役割について確認していきましょう。

保険の役割をしっかり理解していないと無駄な保険に入ってしまうなんて事になりかねません。

そのためにも保険の役割を理解する事が重要です。

そこで下の表をご覧ください。

確率(低)確率(高)
損失(小)貯金で備える貯金で備える 
損失(大)保険で備える! 近づかない

保険とは確率が低くて低くても、起こってしまうと経済的に破綻してしまうような事に対して備えるものです。

≪保険の基本≫

低確率・大損失

それ以外の損失が小さく済むものに関しては貯蓄で対応できます。

保険にそのお金を回すと利率の低いぼったくり商品などを掴まされる可能性があるので貯蓄に回しましょう。

損失が大きくて、確率が高いものというのは例えば紛争地域に行くなどの事なので、そういうものにはそもそも近寄ってはダメという事。

この低確率・大損失という事を念頭に置くとおのずと必要な保険が分かってきます。

保険で必要なのは3つだけ

上記のことを当てはめてみると民間保険で必要になってくるのは下記の3つだけになります。

どれも低確率ではありますが、発生してしまったときに多額の損害を被るものばかりですね。

①生命保険(※家族など自分がなくなった時に困る人がいる場合のみ)

②火災保険

③自動車保険(※車両保険はいりません)

生命保険は単身者や子供のいない夫婦共働きの家庭では必要ありません。

子供が出来て働き手を失ってしまうと家計が破綻してしまう場合に必要になってきます。

火災保険に関しては家を購入した時点で必要になりますのですぐに加入しましょう。不動産屋が進めてくる火災保険は手数料の高いものだとマージンを取っている可能性があるので自分で調べましょう。

自動車保険は対人対物の保険だけで大丈夫です。

近年対人事故に対する高額賠償が増えているので大損害に分類されます。一度事故を起こしてしまうと家計が破綻しかけないので保険で補いましょう。

しかし、車両保険は高確率・小損害の部類に入ります。また使うと等級が下がり毎月の保険料も上がってしまうためとても使いにくい保険。そのため車両保険は必要ありません、貯金で備えましょう。

そもそも、日本はかなり社会保障が充実しているため、それを理解する事で不必要な民間保険に入らなくて良くなります。

社会保険がカバーしてくれるリスク

【病気・ケガのリスク】

病気や怪我に対しては以下の社会保険がカバーしてくれます。

会社員:健康保険(健康保険組合・協会けんぽ・公務員共済組合)

フリーランス:国民健康保険

高齢者:後期高齢者医療制度

もちろん保険でカバーできないものもあります。

「保険適用外」

・先進医療 ・治療以外の医療行為(美容整形・レーシック)・保険対象外の医薬品 ・ベッドの個室差額分

※先進医療とあるりますが、まだ保険適用できない効くか分からない医療の事、最先端の治る可能性が高い医療と勘違いしてはいけません。

また自己負担は原則3割ですが、自己負担額には上限があるので医療費が高額になっても安心、民間保険に入っていなくても大丈夫なんです。

高額療養費制度】

高額療養費制度とは所得金額に応じて、自己負担限度額が決まっています。

引用:全国健康保険協会

例えば年収500万円の方が総医療費100万円の医療を受けると自己負担限度額が約8.7万円になる。

3割負担で窓口で30万円支払ったとしても差額の21.3万円が後から戻ってくるのです。

ただし、窓口では3割を一旦払わなければならないのでやはり、こういった事のためにお金は貯蓄に回しておきましょう。

会社員はとっても手厚い】

会社員が加入している「健康保険」はとにかく手厚い。そのメリットは以下の通りです。

  • 保険料…会社と折半
  • 扶養制度…あり ※扶養家族がいれば一緒に入れます。
  • 手当て…障害手当金、出産手当金、など

このように会社員であれば民間の医療保険など入らなくても十分に手厚い保障が受けられるのです。

日本は世界でも最高峰の健康保険制度が整った国なのです。

【障害リスク】

突発的な事故や年齢によって障害を負ってしまった方に対しては「障害年金」というもので対応できます。

障害基礎年金(2級、1級)

障害厚生年金(3級、2級、1級)

フリーランスであれば①、会社員であれば①+②を等級に応じて受け取る事が可能です。

引用:障害年金相談センター

障害の程度

  • 1級:他人の援助を受けなければ、ほとんど自分の用事を済ませることが出来ない。
  • 2級:必ずしも他人の援助を受ける必要はないが、日常生活が極めて困難で労働収入を得る事が出来ない。
  • 3級:日常生活を送ることは出来るが、フルタイム労働が出来ない。軽作業しかできない。

受給には条件があります、条件は以下の通り。

受給条件

  • 「初診日」を証明できること。
  • 初診日に国民年金(厚生年金)に加入しており、加入期間の3分の2以上保険料を納めている事(免除や猶予も可)
  • 「障害認定日※」に障害状態にある事

※障害認定日とは1年6カ月経過した日(この期間以降障害が残っていたらもらえる)

例えば

35歳会社員、平均年収300万円。

妻一人、子一人の会社員が「障害1級」に認定されると。

障害基礎年金…781,700円×1.25+224,900円(子の加算)

障害厚生年金…約41万円×1.25+224,900円(配偶者の加算)

合計で年額190万円(月額約16万円)

【死亡リスク】

家族の働き手、大黒柱がなくなった時は以下の年金で対応できます。

遺族基礎年金

遺族厚生年金

遺族年金がいくらもらえるかは下記の表をご確認ください。

例)夫(36歳、会社員:平均月収30万円)、妻(33歳、専業主婦)、長男(8歳)、長女(5歳)という家族で、夫が亡くなった場合、妻に対して遺族年金がいくら支給されるのかを見てみましょう。

引用:保険市場

20年以上もらい続けると3000万円以上になります。

そのため生命保険の額もこれを考慮すればそこまで多くする必要がないのが分かります。

【失業リスク】

働き手が失業してしまったら、一気に経済的に不安定になります。

しかし、再就職まで一時的に補助を受けられる制度があります。

それが雇用保険の「失業給付」です。

【失業給付の給付条件】

①ハローワークに来所し、求職の申し出をし、働く意思と能力があっても働くことが出来ない状態にある事。

②原則として、離職の日以前2年間に、被保険者期間が通算12カ月以上ある事。

受給額の計算方法

①貸金日額×②給付率×③所定給付日数

35歳サラリーマンの例で計算

年齢35歳
勤続年数13年
退職前6カ月の貸金総額216万円

216万円÷180日=1.2万円

1.2万円×50%=6000円

6000円×120日=受給総額72万円

給付率は貸金日額や年齢によって変わります最低45%~最大80%(貸金が低い人ほど高い給付率になります)

所定給付日数は最低90日~最大360日です。

【手厚い給付の雇用保険】

雇用保険は失業給付いがいにも様々な特典があります。

・再就職できた時に給付される「就業手当」「再就職手当」

・ビジネススキルや資格取得費用を一部負担してくれる「教育訓練給付金」

・育児や介護のために休業した場合の手当て「育児・介護休業給付金」

サラリーマンはとっても手厚く保障されてます。

【老後リスク】

老後リスクを補うのはやはり「国民年金」と「厚生年金」です。

国民年金は年金の1階部分で年額約78万円。厚生年金は年金の2階部分、会社員が受け取れる年金で勤続年数と平均年収によって変わります。

「国民年金」(満額)=年額 約78万円

「厚生年金」(概算)=勤続年数×平均年収×0.005481

また国民年金は最大70歳まで繰り下げ受給が可能。

繰り下げた日数に応じて最大42%も受給額が上乗せされるので、最大まで確定拠出型年金など私的年金で生活し70歳以降は受給額が上乗せされた年金で余裕をもって暮らすことも可能です。

引用:日本年金機構

とはいえフリーランスの人など年額78万円じゃ不安だという方にiDeCo「個人型確定拠出年金」をお勧めします。掛金が全額所得税控除の対象になりますし、株式や債券での運用と同じリターンを期待できます。

公的年金と私的年金でがっちり老後の不安を解消しましょう。

【介護リスク】

介護が必要になった際には「介護保険」が保障してくれます。

介護保険は介護状態になった際、「介護サービスにかかる費用の原則1割負担」してくれる保険です。

例)介護ヘルパーさんに月5万円かかった場合、保険適用で5000円の負担で済む

民間の介護保険に入ってはいけない理由

保険の基本は低確率・大損失です。

介護が必要になるのは低確率ではなく高確率。高齢になればほとんどの人に起こる事です。

高確率の事は保険会社であっても利益を上げにくくなり、結果ぼったくりの様なコスパの悪い介護保険を売ることになります。

保険の基本に則り、高確率・低損失の事は介護保険を併用しつつ貯金で補いましょう。

【出産費用のリスク】

出産に関しても保証は充実しています。出産費用は申請する事で次のような手当を受けれます。

特に会社員の方に対してはとても手厚いですよ。

①出産一時金(フリーランス「国民健康保険」/会社員「健康保険」)

②出産手当金(会社員「出産手当金)

③育児休業給付金(会社員「雇用保険」)

例えば…

月給20万円の女性会社員が出産して子供1歳の時点で職場復帰する場合

①出産一時金:約40万円 

②出産手当金:20万円×2/3=13万円を約3カ月分

③育児休業給付

180日目まで:20万円×67%=13.4万円を約6カ月分(約80.4万円)

181日以降:20万円×50%=10万円を約6ヶ月分(約60万円)

合計約220万円程度もらえます!

これだけ保障されていると安心ですね。

保険のまとめ

以上のように日本は社会保障にとても優れた国です。

この事を知っているだけで無駄に民間保険に入る必要もなく、その分を貯蓄に回すことが出来ます。

特に高い生命保険は特約など付けずに掛け捨ての安い保険で充分です。

いちど社会保障でどれくらいもらえるかを試算して、それでも足りなくて不安だと思う分を補う程度と考えましょう。

そして貯蓄型などの保険は一切必要ありません。

保険の大原則「低確率・大損失」をカバーするだけでいいのです。

貯蓄は貯蓄、投資は投資、保険は保険と分けて考えましょう。

Written by NAOMARU

参考書籍

コメント

タイトルとURLをコピーしました