みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。
今回は資産形成後の出口戦略についてお話ししたいと思います。
多くの人が資産形成のコアにインデックス投資を行っていると思いますが、出口戦略に大きな問題がある事をご存じでしょうか?

それは積み上げていった株数を取り崩すことへの精神的不安です
株式投資をしていると株価や評価損益を気にしがちですが、インデックス投資で最も重要なのは株数です。※投資信託で言えば口数
インデックス投資とは基本的に長期の積み立てがメインの方が多いと思いますが、30~40年以上積み上げていった資産をいざ取り崩していくという事は必然的に株数を減らしていく行為なので実は精神的に大きな不安が立ちはだかります。
特に給与収入の無くなった引退後などは株数を増やす手立てがなく、その中で暴落などが起こってしまった場合、取り崩し額を抑えなければ多くの株数を減らしてしまいます。
そうなってしまうと、引退後に「資産が枯渇するかも」という不安が大きくなってしまいます。
そこで思い当たるもう一つの資産収入の方法が”高配当株投資”です。
高配当株投資はインデックス投資の取り崩しと違い、インカムゲイン(配当金)を目的とした投資方法なので基本的に取り崩して株数を減らす事はありません。
そこで今回はインデックス投資の取り崩しと、高配当株投資のインカムゲインという二つの出口戦略のメリット・デメリットを解説していきたいと思います。
- インデックス投資 取り崩しのメリット・デメリット
- 高配当株投資 インカムゲインのメリット・デメリット
- NAOMARUの資産配分とは
出口戦略 インデックス投資の取り崩しor高配当株投資どっちがいい?

資産形成を考えるなら断然インデックス投資
まず資産形成期(資産増大期)を考えましょう。
資産形成期はご存じの通りインデックス投資が圧勝です。
なぜならインデックス投資は複利の力を最大限に使って資産を増やしていきますが、高配当株投資はその資産の一部を配当金として排出しているため複利の効果を最大限に増やすには再投資しなければなりません。
再投資せずにインデックス投資とパフォーマンスを比較すると銘柄によっては大きく差がついてしまう事もあります。
銘柄によってはインデックスよりもパフォーマンスを上げる銘柄もあるとは思いますが、高配当株銘柄の多くは成長しきった「成熟企業」であることから成長株も含んだインデックスに勝つのは容易ではありません。
下の表はS&P500(オレンジ)と高配当銘柄で有名なアルトリアグループ(青).AT&T(赤)との比較です。
高配当であるがゆえに株価の上昇は限定的であり、成長株の入ったインデックスがいかに資産拡大に有効かがわかりますね。

税金でもインデックスが有利
資産拡大後、取り崩し期に移行した後はどうでしょうか?
インデックスであれば「4%ルール」と呼ばれる方法で一定の額だけを積み上げた資産から取り崩していきます。
高配当株投資であれば取り崩さずにそのまま配当金を貰えますね。
高配当株投資のいいところは資産形成期からその行動が変わらないという事です。
資産形成期から配当金がもらえているためその額が徐々に増えていくこと、資産を取り崩さずにいられる事は精神的にとても安定します。
しかし、税金面だけで見ると配当金にはかなりデメリットが出てきます。
例として月に10万円を得るために外国高配当株からの配当金と米国インデックスから取り崩した場合の比較をしてみました。
配当金10万円の場合、配当金は利益収入なため外国税がかかります。
外国税10% 10万円⇒9万円
金融所得課税20.315% 9万円⇒約7万2000円
※外国税額控除は支払った所得税の中から外国収入の割合だけが戻ってくるため、引退後の無収入の場合は所得税がないので外国税の還付は0円になります。外国税をもろに受ける事になりますね。
次に取り崩しの場合を見てみましょう。
取り崩しは譲渡損益なので外国税は不要
金融所得課税は利益に対してのみ払うので例えば
90万円が100万円になり、その10万円を取り崩した場合
10万円は100万円10%であり、10万円の10%は1万円なため1万円に20.315%の税金がかかります。
なので掛かる税金は約2000円程度になります。
もし利益が出ていなければ税金はかかりません、0円です。
まとめてみると以下のようになります。
【外国高配当株】配当金10万円
外国税あり:7万2000円 外国税なし:8万円
【米国インデックス投資】取り崩し10万円
全体に10%の利益があった場合:9万8000円 含み損の場合:10万円(税金無し)
※さらに含み損の場合は取り崩しで損益通算が出来きます(損出し)
以上のように、税金面から見てもかなりインデックス投資の方が有利になります。
これが10万円ではなく30万円、40万円と増えていけば更にその差は開きますね。
ではやはりインデックス投資一本でいいか、というとデメリットもあります。
インデックス投資の出口戦略デメリット

インデックス投資の出口戦略のデメリットは先にもお話した通り、取り崩すしか収入を得る方法がないという事です。
インデックス投資は高配当株投資と違いインカムゲインを狙った投資法ではないため配当利回りは1%台ととても小さいです。そのため定期的なインカムは狙えません。
インカムが無いため収入が無くなった後に資産を増大させるのは複利に任せるしかありません、
何よりも引退後に一番安心感が得られるのはキャッシュ(現金)です。
インデックス投資とはいえリスク資産であることに変わりありません。
価格変動商品を保有し続けながら取り崩していくよりも、多少税金がかかっても株数を減らさず毎月の配当金が自動で入ってくる方が精神的に楽なのは言うまでもありません。
高配当株であればその出口戦略を考えなくて良いというのが一番のメリットですね。
また積み上げていく過程で常にインカムゲインが増えていくので将来設計も立てやすいです。
高配当個別株であるとどうしても下落した時に信用リスクが気になってしまうという方は高配当ETFがおすすめです。
高配当ETFであれば償還リスクは気にする必要はありません。
結局のところ無収入になる引退後に自身がどれだけ精神的に安定出来るかの問題です。
取り崩しの方が効率的で、税金を余分に取られる方が気になって嫌だと思うならばインデックス投資のままでいいですし、株数が減っていく方が気になって不安だという方は高配当株をすればいいとおもいます。
まとめ
いかがだったでしょうか。今回はインデックス投資の出口戦略と高配当株のインカムゲインのデメリットを比較してきました。
それではそれぞれのメリット・デメリットのまとめです。
- 複利の力を最大限使えるので投資効率がいい
- 税金も利益に対してのみ掛かるので配当金より安く済む
- 取り崩しは外国税がかからない
- 長年積み上げてきたものを取り崩していくので精神的不安もある
- 暴落時の取り崩しは大きく株数を減らしてしまう
- 資産形成時からインカムを貰えるので出口戦略を考えなくていい
- 株数を減らすことが無いので精神的に安心する
- ETFであれば償還を気にすることは無い
- 高配当銘柄は配当金で利益を放出するため資産形成には向かない
- 配当金は利益収入に当たるので全額税金の対象、外国税もかかる
以上が両者のメリット・デメリットですね。
結局、自分にあったほうで良いとは思います。今から考えても資産運用など10年~20年のスパンなので、その間にいろいろな商品を試して自分に合っているものが見つかると思います。
ただ「ほったらかし投資」をしていて、いざ引退してからこんなはずじゃなかったとならないためにも事前に考えておきましょう。
最後にNAOMARUの場合は両方買って、変動の少ない高配当株の配当金はベースの資産として生活費の基礎にして、株価好調ならばインデックスも取り崩して余裕資金にする、という2階建てを考えています。

またゴールドも保有して暴落時の待機資金に充てるようにしています。
どちらにせよ資金拡大後は複数のアセットを組み入れたポートフォリオにしてリスク分散しておきましょう。
皆様の充実したマネーライフを応援しています🐽

MONEY GROW UP!
Written by NAOMARU
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