みなさんこんにちは小市民投資家NAOMARUです。
投資を始めたばかりの人には高配当株投資はとても魅力的に感じますよね。
少しづつでも配当金が入ってくると生活が豊かになっていく気がします。
私もインデックス投資とは別に毎月のインカムゲインを増やそうと高配当株投資に励んでいる一人です。

ただ、高配当株投資は普通のインデックス投資とは別に知っておくべきことがいくつかあります。
今回の記事はそんな投資初心者の方のために高配当株投資の魅力と知っておくべきメリット・デメリットについてお話します。
最後に投資初心者でも始められる高配当ETFもご紹介しますので、是非最後までご覧ください!
- 高配当株投資のメリット・デメリット
- 知っておくべき3つの注意点
- おすすめ高配当ETF
高配当株投資の魅力と知っておくべきメリット・デメリット

高配当株とは
まずは高配当株の特徴をお伝えしておきます。
「高配当」に決まった定義があるわけではありませんが、俗に高配当株といわれるものは配当利回りが大体2.5~3%以上のものを言います。
中には6%や7%を超えるものもありますが、そんな高配当株には配当金払い過ぎ等いわゆる「罠銘柄」も存在します。※後述します。
また配当金は企業の決算月に決定し、決算報告書で株主に知らされます。
決算月は企業によって異なりますが、日本企業だと基本的に第1四半期、中間期、第3四半期、本決算と年に4回行われ、配当金もその度に支払われます。
この一年間に支払われた配当金の合計を株価で割った数値が「配当利回り」となります。

高配当株投資をしている株主は配当金の推移にシビアで、減配をするととても嫌がられ株主が離れる可能性があるため、企業側もなるべく減配をしないようにする努力をしています。
この配当利回り3%以上の高利回り株を集めて運用するのが「高配当株投資」の基本となります。
高配当株投資の魅力

生活を豊かにするインカムゲイン
高配当株投資の魅力は何といっても毎月のインカムゲインです。
株数を増やせば増やすほど入ってくるインカムゲインが増えるので、株価より計算がしやすく手元にキャッシュとして残るので生活が豊かになっていく実感がわきます。
また中間決算などの株主通信が届いたり、配当金をためて再投資するなど投資をしている実感を持つこともできます。
複利の効果を実感しやすく投資を続ける活力になるのは高配当株投資の大きな魅力といっていいでしょう。
安定した成熟企業が多い
また、高配当株投資の対象となる企業は多くが成熟企業になる事もメリットの一つです。
高配当で有名な「花王」や「三菱UFJフィナンシャルグループ」など急成長をするグロース株ではなく、主に生活のインフラになった「成熟企業」です。
この企業たちは新しい事業投資先がなく、成長余力が少ないため利益を配当金に回しています。
そのため業界にはすでに盤石な地盤があり、経営不振になりにくい大企業が多いです。
そのため小型株やグロース株に比べて株価の変動が少なく安定して運用することができます。
高配当株投資のデメリット

株価の成長性に欠ける
先ほどお伝えしたように高配当を出す株は成長余力が少ない「成熟企業」が多いとお伝えしましたが。
裏を返せば「もう成長できないから配当金としてお金を株主に返す」という事です。
つまり企業の成長がない分、株価の値上がりはあまり期待できません。
そのため株主自体が再投資して資産を増やしていかなければなりません。
それに比べて無配当のグロース株などは配当を出さずに新事業にどんどんお金を投じて企業拡大しているわけですから株価は成長し続けます。
資産形成、キャピタルゲインを目的としている投資家にとっては高配当株投資はあまり向いていないという事です。
配当金には税金がかかる
配当金は売買益と違って100%利益からの配当になるため20%の金融所得課税がかかります。
そのため一度配当金を受け取って、その配当金を再投資するのは税金の面から見ると効率的ではありません。
投資信託のようにファンド内での再投資であれば税金がかからないので、再投資だけを見れば投資信託方が効率的といえます。
一度手元にお金を出してしまう分、税金面でのデメリットになってしまうのです。
つまり、高配当株投資は…
配当金を再投資して資産形成させる投資法ではなく、配当金を不労所得として生活を充実させるための投資法
として考えておいた方がいいです。
少ない資金で増やすならばインデックス投資やグロース株投資の方が効率的という事です。
高配当株投資で知っておくべき3つの注意点

株価と配当利回りの関係
高配当株とは配当利回りの高い株の事ですが、先ほどもお伝えした通り配当利回りとは株価の影響が強く出ます。
下記が配当利回りの計算方法です

この計算を見るとわかる通り株価が下落すると必然的に配当利回りが高くなります。
つまり、普段そこまで高くない配当利回りの株でも、何かのショックで株式全体が暴落すると配当利回りが高くなるという仕組みです。
そのため配当利回りは「割安感」を示す指標になったりもします。
このように株価が下がると必然的に配当利回り高くなり、そのため買われやすくなるため高配当株は株価が下落しにくいというメリットがあります。
このようなことから高配当株投資とはインデックス投資のようにコツコツ毎月買い増すという投資手法ではなく、
普段はキャッシュを貯めておき、暴落時に配当利回りが高くなったものを買い漁るという投資手法が推奨されています。
このように高配当株投資は少しアクティブ運用に近い性質があります。
配当性向
配当性向とは企業が利益剰余金(利益で余ったお金)からどのくらい配当金を出しているかを知ることのできる指標です。
この配当性向が低いと、企業のお財布にお金が沢山入っているのに少ししか出していないということになり、逆に高いとお財布に少ししか入っていないのに多くのお金を出してしまっているという事になります。
配当性向は%で表されており、配当性向100%を超えると借金をしてまで配当金を払っていることになります。
先述した「罠銘柄」というのはこのような企業の事で、経営状態が悪く株価が下落しても配当金を維持しているために配当性向が90%や100%を超えてしまっている場合があります。
そのような企業は今後、減配や経営状況の悪化が懸念されるので気を付けてください。
配当性向の目安は企業により異なりますが、大体半分50%程度が健全であるとされます。

高配当株投資の企業分析についてもっと詳しく知りたい方はこのサイトの「株レビュー」でいろいろな企業分析をしているので参考にしてみてください。
どうやって企業分析をしたらいいのかもわかりやすく解説してますよ。
配当金は事実上の利益確定、株価は下がっている⁉
高配当株投資をしている人でも意外に勘違いしていることが多いのが、配当金の出どころです。
配当金は別に打ち出の小槌のように何もないところからは出せません。
先ほど言ったように利益剰余金から排出されます。
そのため企業の利益がその分減っているわけですから、株価もそれに合わせて配当分減少します。
☟は高配当でおなじみの「日本たばこ産業」の配当権利落ち日の終値から次の始値の株価推移です。

つまり結局自分の資産が増えているわけではなく配当分の取り崩しをしているにすぎないのです。
インデックス投資で築いた資産を自分で取り崩すのも、高配当株で配当金をもらうのも本質的には同じという事です。
これを知らないまま高配当株投資をしていると…
配当利回りの高い銘柄を集めているのに株価が下がり続けているから一向に資産が増えないという事にもなりかねないので注意しましょう。
わかりやすい動画がありましたのでこちらもご覧ください。
初心者向け、高配当ETF3選

さて、ここまでお話ししてくるとなんだか高配当株投資って難しい。と思われる方もいらっしゃると思います。
確かに個別株の高配当株投資は決算資料や配当性向などを気にしなければならないため投資中級者向けといえます。
しかし、投資初心者からでも始められる高配当株投資があります。
それが高配当株ETFです。
ETFとは投資信託の一種で個別銘柄を沢山集めてパックにしたものです。
そのため個別銘柄を一つ一つ購入するよりも費用が安く済み、分散も効かせられるのでリスクを抑えることができます。
VYM – バンガード・米国高配当株ETF

アメリカの3大運用会社の一つバンガード社が運用している「バンガード・米国高配当株ETF」
【ティッカー】VYM
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックスの連動を目指し、米国企業全体から平均以上の配当を出す普通株を時価総額加重平均を用いて構成されている。
時価総額加重平均とは企業の時価総額に合わせて組み入れ比率を決める方法で、時価総額が高い銘柄であれば多く、少ない銘柄であれば少なく組み入れます。
大企業の値動きに影響されやすく多くの小型株が値下がっても、大型株上がると指数が高くなる場合があります。
2006年から運用されており高配当株ETFの中でも歴史のあるETF。
リーマンショックやチャイナショックなどいくつかの暴落を経験しながらもアメリカ経済の成長と共に成長してきている。
分配利回りは2.73%と高配当ETFの中では割と低い方ではありますが、安定感があり成長性もあるのでキャピタルゲインも両方狙えるETFです。
経費率 | 分配利回り | 分配金回数 | 銘柄数 |
0.06% | 2.73% | 年/4回 | 400銘柄程度 |
SPYD – SPDR ポートフォリオS&P 500 高配当株式ETF

ステートストリート社が運用するS&P500指数を対象とした高配当ETF。
【ティッカー】SPYD
優良株価指数であるS&P500の中から高配当な銘柄80社を均等に構成しています。
優良大企業で構成されているS&P500なので、選定されている企業はとても優秀なものばかりです。
しかし80社と絞っているので値動きはそれなりに激しいです。
配当利回りもVYMに比べて5.01%と高いのも銘柄を絞ってリスクをとっているからといえます。
ただリスクをとっているとはいえ、元指数のS&P500の構成銘柄になるのもとても大変で財務優良企業でしか入れないため、そこまで心配する必要はありません。
事実、最近では有名高配当ETF(VYM.HDV.SPYD)の中で最も高いパフォーマンスを発揮しています。
経費率 | 分配利回り | 分配金回数 | 銘柄数 |
0.07% | 5.01% | 年/4回 | 80銘柄程度 |
1489 – NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信

野村アセットマネジメントが運用している日経平均に連動した高配当株ETF。
【銘柄コード】1489
アメリカだけでなく日本企業にも分散投資したいという方はこちら。
日経平均から高配当な銘柄50社で構成されたETF。
ソフトバンクやみずほフィナンシャルグループ、KDDI等、高配当で有名な日本の大企業に投資ができます。
アメリカと違いすべてが優良企業というわけではありませんが、投資額が少なく個別株では分散を利かすことができないという方は、このETFを軸に個別株で補強するという方法もありです。
日経平均なので、過去の成績はアメリカ企業と違って右肩上がりというわけではありませんが、アメリカ企業ばかりに投資をしていると日本に住んでいる方は為替リスクを負ってしまいます。
そのためにも日本株に円で投資することは分散の観点からも重要です。
経費率 | 分配利回り | 分配金回数 | 銘柄数 |
0.30% | 3.88% | 年/4回 | 50銘柄 |
QYLD【番外編】

初心者向けではないですが、ちょっと変わったETFをご紹介します。
グローバルX社が運用するナスダック100のカバードコール戦略をとっている珍しいETFです。
【ティッカー】QYLD
ナスダック100のオプション取引を行い、コールオプションを売ってそのオプションプレミアムを原資に配当金を出すカバードコール戦略をとった珍しいETFです。
この説明を受けてなんのこっちゃ?と思う方もいると思います。
簡単に言うと先ほどの配当性向100%に感覚的に近いです。
ナスダック100のキャピタルゲインを諦めて、その利益をすべて配当金でもらうというイメージです。
そのためナスダック100を対象としていますが、値上がり益は全くありません。

青がナスダック100。オレンジがQYLD。
全くの横ばいか、少し減ってます。
しかし、キャピタルゲインを放棄している代わりに分配金の利回りは10%を超える超高配当となっています。
仕組みが複雑なため中級者以上で資産形成を終わらせた方などにおすすめです。
経費率 | 分配利回り | 分配金回数 | 銘柄数 |
0.67% | 11.63% | 年/12回 | 100銘柄 |
詳しくはこちらで解説しているので気になる方は☟ご覧ください。
※この記事では特定の銘柄を取り上げていますが、利益を保証するものではありません。投資には必ず元本割れのリスクがあります。自己責任でお願いします。
まとめ
いかがだったでしょうか。
日々の生活を充実させる実感の持てる高配当株投資は魅力的ですね。
デメリットもしっかり抑えれば決して怖い投資ではありません。しっかり学んで毎月のインカムゲインを強化していきたいですね。
では今回のまとめです。
- 配当利回り3.0%以上を高配当と呼ぶ
- 配当金には税金がかかる。
- 高配当株には「成熟企業」が多い
- 高配当株投資は積立より、値下がり時に買う方がいい
- 配当性向が高すぎる企業は気を付ける
- 配当金が出るときに株価はその分下げている
- 資金が少ない時はETFを活用する
お金が毎月入ってくるマネーマシンはきっとFIRE後の強い味方になってくれます。
インデックス投資は資産形成には向いてますが、資産が貯まった後は取り崩さなければなりません。
長年積み上げてきた資産を取り崩すというのは精神的にかなり難しいと思います。
高配当株投資はそれを自動でそれをやってくれます。
精神的に安定しますから是非チャレンジしてみてはいかがでしょうか!
みなさんの充実したマネーライフを応援しています☆

MONEY GROW UP!
Written by NAOMARU
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