みなさんこんにちは小市民投資家のNAOMARUです。

高配当個別株投資を始めたいけど、個別銘柄の選定ってわかりにくいですよね?
そんな今回は高配当個別株投資において割安な優良銘柄の選び方を投資初心者の方でもわかりやすく解説します。
優良高配当株投資は個別株投資の中でも安定した配当金を狙い成熟した大企業に投資する為
小型のハイテクグロース株などのようなキャピタルゲインはあまり期待できませんが再現性の高いインカムゲインが狙えるので個別株を始めたい方にはお勧めです。
「高配当個別株をやりたいけどどうやって銘柄選定したらいいかわからない」という方は是非最後までご覧ください🐽
- 高配当個別株で注意する事
- 割安銘柄を見つけるポイント
高配当個別株投資の基本⁉割安優良銘柄を見つける方法

高配当株投資の基本
まず最初に高配当株投資の基本は財務優良企業で割安な銘柄に投資する。という事です。
- 財務優良であること
- 割安であること
なぜこの二つがポイントなのでしょうか。
①財務優良であること
高配当株投資とは基本的にキャピタルゲインを狙う投資ではなく、安定的なインカムゲインを得るための投資方法です。
つまり短期で売ったり買ったりする投資方法とは異なり「バイアンドホールド(長期保有)」が基本となります。
いくら高配当で値上がりも狙える企業があったとしても、時価総額が低かったり借金まみれの会社であれば会社がなくなってしまう事も考えられます。
そんな企業を安心して長期保有する事は精神的にも困難ですし、定期的なインカムを期待する投資には向きません。
そのため財務優良企業である事は必須の条件となります。
②割安であること
次に「割安」であることを上げましたが、この割安とはどういう意味なのでしょうか?
投資で言う割安とは株価に対してその企業価値が高いのか安いのか?という事です。
例えば1株1000円の値段が付いた企業がいます。
その企業が毎年1株当たり100円の利益を出せたら10年で株主は元を取れることになります。
しかしその株価が800円だった場合8年で元が取れることになります。
逆に株価が1500円だった場合15年もかかってしまいます。
つまり株価が800円の株が割安という事です。※この詳しい説明はPERの時にご説明します。
割安な株を買えば今後値上がりを期待できますが、逆に値上がっていて割高な株を買ってしまうと徐々に値下がって来てしまう事もあります。
先ほどもお伝えしましたが高配当株投資とは長期投資です。
徐々に値下がる株を掴まないように、割安で放置されている株を見つける事はとても重要になってきます。
では財務優良で割安な株とはどこを見て判断すればいいのでしょうか?
事項ではまず「割安な株」を見分ける指標からご紹介します。
割安を知るにはまず相場を知る

割安と言っても何をもって安いと言えるのでしょうか?
例えばトマトが1個100円で売っていたとして
バーゲンセールの日に他の野菜が80円の中100円のトマトは高いですよね。
しかし高級デパートで野菜300円が基本のところでは100円のトマトはとてもお買い得です。
つまり、相場を知ることがその商品が安いのかを知る事になるのです。
割安を図る指標「PER」
株式投資には様々な指標がありますが、株価の「割安」を図る指標にPERというものがあります。
PER「ぴーいーあーる」と発音し、日本語で「株価収益率」と言います。

これは先ほど1000円の株価の例で説明すると。
株価1000円の企業の毎年の利益が100円ならば元を取るまでに10年かかる
という例を挙げました。
この場合をPERで表すと「PER10倍」と表すことができます。
この10年=PER10倍と覚えておけば大丈夫です。
PERは一株がどのくらいの収益を生むのかという値です。
先ほどの相場を知るという意味では大体PER10~15倍が株式相場で言う平均となります。
15倍以上になってくると企業の利益に対して株価が「割高」
10倍以下になってくると企業の利益に対して株価が「割安」
というように判断する事ができます。
つまり、高配当でPERが7倍や8倍などの銘柄があれば10倍に向かって今後も株価上昇を続けていく可能性があります。
しかしPER80倍などの銘柄であった場合は10倍に向かって徐々に株価下落に向かう可能性があるという事です。

PERだけで判断しない
注意してほしいのは10倍というのはあくまで平均という事です。
PERが低いから割安だ、逆にPERが高すぎるから割高だ。と簡単には言いきれません。
なぜならPERは一株当たりの当期純利益を株価で割る事で計算されますが、成長し続けるグロース株など常にその純利益を上げています。
例えばある時PER100倍もの割高な企業があったとします。
しかし翌年企業は成長し続け昨年の10倍もの利益を上げたとします。
そうすると当然PER10倍になります。そうなればPER100倍の時に買っていたものは別段割高だったわけではなくなります。
このように成長著しい企業はその成長性を見込まれPERが高くなりがちになります。
またPERが8倍で割安だと思っていても、実際に買ってみたら収益性が少なくさらに利益を落としてPER8倍でも割高だったという事にもなりかねません。
それにライバル企業との比較も重要です。
先ほどのトマトの例でもお伝えしましたが、相場を知るという事はとても大事です。
いくらPER8倍で安いと思ってもその業界自体の収益性が低くライバル企業も大体PER8倍程度であれば、今後その業態自体が成長性を持っていない可能性もあります。
PERで割安な銘柄を見つけたら必ずライバル企業と比較をして「その業界で本当に割安なのか?」と自問してみる事で正しい相場感が身についてきます。
このように割安を判断するPERで割安になっている株を見つけたらすぐに買う、というわけではありません。
先ほどもお伝えした通り高配当株投資とは長期保有が原則です。
ではそんな割安株は本当に長期保有に適しているのかをも判断するために次項でチェック項目をまとめてみました。
財務優良企業を見つけるチェック項目5選

見つけた割安株が長期保有に適した財務優良企業なのかを判断するためのチェック項目は以下の通りです。
項目 | 内容 | 相場 |
---|---|---|
時価総額 | その企業の株価に発行済み株式数を掛けたもの、企業の規模を図る材料。 大きければ大きいほど大企業。 | 5000億円以上 |
自己資本比率 | その企業がちゃんと自分のお金で経営しているかを見る材料。 自己資本比率は高ければ高いほど良い。 | 50%以上 |
売上高/営業利益 | そもそも本業でしっかり売上を上げているか、売上を上げていても利益が 出ているかを見る。単年ではなく通年を通してみる事が重要。 | 通年で右肩上がり さらに黒字 |
ROE | ROE(自己資本利益率)上手に資本を使って利益を上げているかを見る 高ければ高いほど良い。※レバレッジ経営に注意 | 大体15%以上だと 利益率が高い |
配当性向 | 配当金が利益に対してどれだけの割合で出されているかを見る 高すぎると「払い過ぎ」に注意! | 90%以上は危険 |
時価総額
時価総額とは「企業の株価×発行済み株数」で算出された企業の大きさを図る数値です。
長期保有をする大前提は「潰れない会社」に投資するという事です。
その為には時価総額が大きくなくてはいけません。小さい会社であると何か経済的な不安や事業の失敗などで簡単に経営破綻を起こしかねません。
また小さい会社は利益を配当金よりも事業投資に費やしますので、インカムゲイン狙いの高配当投資には向いていないのです。
そのため高配当投資は既に大きくなり利益を事業投資よりも配当金として還元する「成熟した大企業」に投資する事を大前提としています。
大企業と言ってもここから大企業という線引きがあるわけではありません。
そこで日本企業の時価総額ランキングで1~100位までが1兆円を超えているので、1兆円を目安にして幅を広げるなら下限を5000億円ぐらいまでを目安にしておきましょう。
自己資本比率
自己資本比率とは会社が自分のお金でちゃんと経営してるかを見る数値です。
自己資本比率50%とは会社の資本50%が自分のもので、残り50%が有利子負債などの借金や別の資本という事になります。
なので自己資本比率が高ければ高いほど安定していて、何か事業に失敗しても何とかなる余力があるという事です。
これが20%と小さくなると借金を多く抱えながら経営している可能性があるので長期保有には向いていません。
せめて50%を目安により高い企業を選定しましょう。
売上高/営業利益
売上高は明確な基準がありません。
というのも業種、業態によっていくら儲かるかは千差万別だからです。
ただ最低限「黒字であること、右肩上がりであること」が挙げられます。

売上高だけではないですが、紹介している項目は通年を通してどう変化しているかが重要になってきます。
単年だけ見てその年だけ業績が良くても前年や3年前まで赤字続きでしたでは意味がありません。
また通年黒字であっても年々売上高が落ちてきてしまっては不安が残ります。
5年から10年のスパンで見て黒字経営であり、かつ横這いか少しずつでも右肩上がりである企業を選びましょう。
また売上高と同時に営業利益も確認しておく必要があります。
売上高を見て横ばいだから大丈夫と思っていても、営業利益が減少している場合があります。
これは材料費の高騰や、販管費の上昇で売上高は維持しているものの営業利益が減少してきているという事です。
売上高と同時に営業利益も右肩上がりであればとても優秀だといえます。
※通年で売り上げなどの決算記録を見るにはIRBANKというサイトがおすすめです。
ROE(自己資本利益率)
ROE(自己資本利益率)とは会社の資本を上手に使って利益を出しているかを見る指標になります。
上手に使うとはどういう事でしょうか?
例えば
自己資本300万円の企業Aと自己資本2億円の企業Bが利益を出した時、300万円の企業Aは45万円の利益に対して企業Bは2400万円もの利益をあげました。
数字だけを見ると当然B社の方が儲かっているように見えます。
しかし資本に対しての利益率を計算するとA社の方が儲かっていることになります。
これは事業規模に応じて数字が大きくなったり小さくなったりする事で本当に儲けているのかがわかりにくくなっているのです。
この例のように資本に対してどのくらい儲けているかを表したのがROEです。
このROEはライバル企業との比較に使えます。
ライバル企業が大きかったり小さかったりすると売上だけでは比較できません。
そのためこのROEを使ってライバル企業より利益率があるのかを比較する事ができるのです。
ライバル企業よりもROEが高ければ今後もその業界で成長し続ける可能性があります。
レバレッジ経営を見抜く…
ROEのほかにもう一つROA(総資産利益率)という指標があります。
ROEは自己資本に対しての利益率でしたが、ROAは負債も含めた会社全体の利益率です。
つまり1000億の自己資本に4000億の有利子負債を足して経営するのと、自己資本5000億円だけで経営するのではリスクが違いますね。
このように有利子負債を使ったレバレッジ経営をする会社はROEとROAの間で大きな差が出ます。
企業名 | ROE | ROA | |
---|---|---|---|
レバレッジ経営をしていない | 任天堂(7974) | 10.9% | 8.5% |
レバレッジ経営をしている | RIZAPグループ(2928) | 40.7% | 5.3% |
配当性向
配当性向とは配当金が利益からどのくらいの割合で出されているか?を見る指標です。

配当性向が高すぎると利益のほとんどを配当金に支払っているという事なので企業に利益が残りません。
しかし配当性向が少なすぎると高配当株としてのうま味も減ってしまいます。
配当性向が大体80%を超えない程度で推移している分には問題ないと考えます。
しかし配当性向が90%を超えてくると危険信号。減配をしてくる可能性があります。
この配当性向の推移も売上高と同じく通年でどのように変化してきているのか確認しましょう。
営業利益が上がっていないのに配当性向だけがどんどん上がっていると無理して払っている可能性もあります。
下は大塚家具(8186)の一株配当と配当性向の推移です。

配当性向が200%を超えて払い過ぎているのがわかります。この後配当金は減配、無配転落しています。
高い配当利回りだけに目を向けず必ず配当性向も確認する事が高配当株投資を長く続けていくための基本です。
企業業績が良ければすべていいのか?

今まで、企業業績と割安の判断基準についてお話してきました。
これは基本「ファンダメンタルズ分析」と言われる企業分析の方法です。
この方法は長期投資をする上でとても重要な分析方法ですがもう一つ忘れてはならない分析方法があります、それが「テクニカル分析」です。
テクニカル分析とは主に短期・中期トレードで使われるチャートの方向を読む分析方法です。
長期的に保有するのだからチャート分析は必要ないのでは?
と思われる方もいるかもしれません。しかし、そこは株式相場。
ファンダメンタルズ分析じゃ説明できないことが起こるものです。
特に「すべては株価が語る」という格言があるぐらい株価はいろいろな要因を織り込んで動きます。
ましてや機関投資家などプロ中のプロが個人投資家にはわからない情報を手にして売り越している可能性もあります。
そのためいくら業績が良くて割安に放置されている銘柄であっても「下落トレンド」であるなら一旦買うのを留めて置き、反転上昇し「上昇トレンド」を確認した段階で購入するという事お勧めします。

まとめ
いかがだったでしょうか。
今回は高配当株で割安な優良株の見つけ方について解説していきました。
まず割安な株を見つけて、その企業が優良なのかの企業分析をする。最後に上昇トレンドであれば買い、という簡単な流れがわかっていただけたかと思います。
それでは今回のまとめです。
- PER10倍を基準としてライバル企業と比較する
- 時価総額が大きい安定した企業を選ぶ
- 自己資本比率の高い企業を選ぶ
- 売上高/営業利益は単年ではなく通年で黒字、右肩上がりの成績が良い
- ROEで事業規模抜きの利益率でライバル企業と比較する
- 配当性向高すぎに注意
- 買い時は「上昇トレンド」を待つ
以上です。
高配当株投資はあくまでインカムゲインを目的とした長期保有銘柄探しです。
単発の値上がり益を目的とした小型グロース株投資とは根本的に考え方が違うのでそこを混同しないように注意しましょう。
特に次のようなことは注意しましょう。
- インカムゲインではなく短期的な値上がり益を気にしてしまう。
- 少しの調整で「損切り」しそうになる。
これは短期トレードの考え方です。
高配当投資はインカムゲイン目的なので売る必要はありません。
そんなことを考えないように潰れる心配のない優良な大企業、いつまで持ってても安心な企業を選びましょう。
配当金で夢の不労所得をみなさんと共に作っていきたいですね。
みなさんの充実したマネーライフを応援しています🐽

MONEY GROW UP!
Written by NAOMARU
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