株価予想をする上で参考にする業績予想ですが、会社予想とコンセンサス予想が食い違っていてどちらを参考にしたらいいか迷う事はありませんか?
実際に業績予想とコンセンサス予想が大分食い違っていた時があります。
例えばこちら☟

こちらはある会社の業績予想ですが、最新会社予想とコンセンサス予想が大分食い違っています。
最新会社予想 | コンセンサス予想 |
---|---|
-558(百万円) | +590(百万円) |
大体の場合、会社予想とコンセンサス予想というのは割と近くなるはずなんですが、こうも違ってくるとどちらを信用していいか分からなくなってしまいますよね。

そもそもなんでこんな食い違いが発生するのだろう?
今回はその要因と各予想の仕組みについてを解説していきたいと思います。
各々の特徴を理解できればより正確な業績の予測が立てられるようになると思うので、是非最後までご覧ください。
- 会社予想とコンセンサス予想が食い違う原因
- 会社予想とコンセンサス予想の仕組み
なぜ⁉業績予想で会社予想とコンセンサス予想が食い違う理由

会社予想とコンセンサス予想が食い違う理由はいくつか考えられます。
代表的な要因としては以下の4つです。
- 情報源の違い
- 分析手法の違い
- 楽観・悲観の違い
- タイミングの違い
それぞれの予想には異なる要因が影響しているため、結果として異なる予想が生まれることがあるのです。
では次にその要因となる理由を詳しく解説していきます。
予想が食い違う4つの主な要因
情報源の違い
会社予想は、企業自身が提供する情報に基づいて作成されます。
一方、コンセンサス予想は、外部のアナリストや投資家が持つ情報をもとに作成されるため、情報源が異なります。これにより、両者の予想が食い違うことがあります。
分析手法の違い
会社予想は、企業の経営陣が過去の実績や現在の状況、将来の見通しを考慮して作成します。
一方、コンセンサス予想は、市場全体の状況や業界動向、競合他社の状況なども考慮に入れて作成されます。
これらの分析手法の違いから、予想が食い違うことがあります。
楽観・悲観の違い
会社予想は、企業自身が提供する情報であるため、自社の将来に対して楽観的な見方を示すことがあります。
一方、コンセンサス予想は、外部のアナリストや投資家が作成するため、より客観的で悲観的な見方をすることがあります。
これにより、両者の予想が食い違うことがあります。
タイミングの違い
会社予想とコンセンサス予想は、それぞれ異なるタイミングで更新されることがあります。
例えば、会社が四半期決算を発表した際に会社予想が更新されることがありますが、コンセンサス予想は、市場の情報やアナリストの意見が変化するたびに更新されることがあります。
このタイミングの違いによって、予想が食い違うことがあります。
これらの理由から、会社予想とコンセンサス予想は、予想の根拠や分析手法が異なるため、食い違うことがあるのです。
これらの事を踏まえ投資家は、両者の予想を比較・検討し、より正確な予測や投資判断をしていかなければなりません。
しかし、どちらの予想も将来の確実性を保証するものではないため、投資家は自身のリスク許容度や投資目的を考慮して判断する必要があります。
また、企業の会社予想がコンセンサス予想より楽観的だったり、また逆に悲観的だった場合とで企業が業績や将来性に対してのスタンスを理解する事ができます。
会社予想が楽観的だった場合

- 内部情報のアクセス: 企業は自社の業績や事業戦略に関する内部情報に直接アクセスできるため、外部アナリストが把握しきれていないポジティブな要素がある場合があります。
- 経営陣の楽観的な見通し: 経営陣が自社の業績や将来性に自信を持っている場合、その楽観的な見通しが会社予想に反映されることがあります。
- 株価の維持・向上を目指すインセンティブ: 企業は自社株価の維持や向上を目指すインセンティブがあるため、楽観的な予想を提供して市場の期待を維持・向上させようとすることがあります。
- 業績不振を隠蔽する意図: 企業が業績不振や潜在的なリスクを隠蔽しようとする場合、楽観的な会社予想を提供することがあります。
- 市場競争力をアピール: 企業が自社の市場競争力や業界内での優位性をアピールするため、楽観的な会社予想を提供することがあります。
例えば、会社予想が楽観的である一方で、コンセンサス予想が悲観的である場合、企業の内部情報や市場の評価に対する不確実性が高いことが示唆されます。
特に4番などは今後のネガティブサプライズによる株価急落という事態になりかねないので注意が必要です。
会社予想が悲観的だった場合

- 内部情報のアクセス: 企業は自社の業績や事業戦略に関する内部情報に直接アクセスできるため、外部アナリストが把握しきれていないネガティブな要素がある場合があります。
- 経営陣の慎重な見通し: 経営陣が自社の業績や将来性に慎重な見通しを持っている場合、その慎重な見通しが会社予想に反映されることがあります。
- 株価の過度な上昇を抑制する意図: 企業が株価の過度な上昇を抑制し、市場の期待を適切な水準に保つことを目指して、悲観的な会社予想を提供することがあります。
- 業績不振への対策やリスク管理: 企業が業績不振や潜在的なリスクに対する対策やリスク管理の重要性を認識し、悲観的な会社予想を提供して市場に警鐘を鳴らすことがあります。
- 逆サプライズ効果: 企業が市場の期待を下回る悲観的な予想を提供し、実際の業績が予想を上回ることでポジティブなサプライズ効果を狙う場合があります。
楽観的だった場合と違い、こちらは2番や5番など実際の業績実績が発表される事でサプライズになり、株価上昇の要因になります。
しかし1番であった場合は注意が必要です。

個人投資家はどうやってこの情報を見極めたらいいか分からないよ…
会社予想とコンセンサス予想のどちらが信頼性が高いかは一概に決めることは難しいです。
そのために以下の事を考えて情報収集することが重要となります。
- 経営陣の信頼性
- アナリストの専門性と評価
- 企業の業績トレンド
- イベントやニュースの影響
- 会社ガイダンスと業界動向
会社予想とコンセンサス予想の食い違いを見極めるポイント!

- 経営陣の信頼性: 企業の経営陣が過去にどの程度信頼性のある予想を提供してきたかを調べることで、会社予想の信頼性を判断できます。
- アナリストの専門性と評価: コンセンサス予想に寄与しているアナリストの専門性や評価を調べることで、コンセンサス予想の信頼性を判断できます。
- 企業の業績トレンド: 過去の業績や業界トレンドを分析し、それらの変化を考慮した上で、予想が妥当かどうかを評価します。
- イベントやニュースの影響: 企業や業界に関する最近のイベントやニュースをチェックし、それらがどのように業績に影響を与えるかを検討して、予想が現実的かどうかを評価します。
- 会社のガイダンスと業界動向: 企業が提供する業績ガイダンスや業界の動向を調査し、その情報を基に両者の予想の妥当性を検証します。
これらのポイントを総合的に評価し、会社予想とコンセンサス予想のどちらがより正確か見極めましょう。
それぞれの予想は異なる情報源や分析手法に基づいているため、どちらか一方だけに依存するのではなく、両方を参考にすることが重要です。そのためにもどのような視点でどのような情報源で分析しているかを知る事が重要なのです。
また、過去の実績や予想に過度に依存せず、企業の事業戦略や競合状況、業界動向なども考慮して、総合的な判断を下すことが肝心です。
まとめ
会社予想は企業自身が提供する情報であり、企業の内部情報や経営陣の見解が反映されています。
これは、企業の事業戦略や将来の展望に関する独自の情報を得ることができるため、信頼性が高いと考えられます。
ただし、企業は自社の業績や将来性を良く見せたいというインセンティブがあるため、時に楽観的な予想が提供されることもあります。
一方、コンセンサス予想は複数の外部アナリストや投資家による意見の平均値であり、市場全体の見方や業界動向、競合他社の状況などを考慮した客観的な見解が反映されています。
これにより、市場の期待や評価が適切に反映されると考えられ、信頼性が高いと言えます。
ただし、アナリストも情報が不完全であることがあるため、コンセンサス予想も必ずしも正確ではありません。
結果として、会社予想とコンセンサス予想のどちらが信頼性が高いかは一概には言えません。
投資家は、両者の予想を総合的に考慮しながら、企業の業績や将来性を評価し、自分自身の投資判断を行うことが重要です。
また、他者の意見だけでなく自身の出来るリスク管理やポートフォリオのバランスを調整することが望ましいのです。

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