【ブックレビュー】マンガでわかる こんなにヤバいコロナ大不況 消費税凍結とMMTが日本経済を救う!/消費増税反対botちゃん

ブックレビュー

【ブックレビュー】マンガでわかる こんなにヤバいコロナ大不況 消費税凍結とMMTが日本経済を救う!/消費増税反対botちゃん

著者/消費増税反対botちゃん
監修/藤井聡


近年よく話題に上がる「MMT」現代貨幣理論。

イマイチしっかり理解していない私なので、それを漫画で解説してくれるということで前回「こんなに危ない消費増税」で話題になった消費増税反対botちゃんが藤井聡氏と組んでMMTを題材にしている漫画がでたので読んでみました。

​本の概要


消費税増税反対派の藤井聡氏が実際に登場し高校生の「高橋あさみ」「アベ晋太郎」と共に永田町の高官相手に論破していくという話。


いきなりMMTの話をするのではなく、いかに今のコロナ対策が不十分であるか、水際対策の遅れや、消費税増税の失策などから入る。


本書が描かれたのが2020年の8月14日のため情報としては若干古いのは否めないが、それでも納得する部分も散見される。

海外旅行者のインバウンドで失敗した水際対策

​著者はコロナ感染拡大対策の最初の失敗として、3月まで入国制限をしなかった水際対策の遅れを指摘している。

お隣台湾では2月の頭にはコロナ発生源の中国からの入国者を制限していたにもかかわらず、日本は3月になってやっと入国制限を始めた。

国内ではイベント自粛など2月の中旬から始まっているにもかかわらずである。


これには安倍政権の経済政策に直結している。

安倍政権は消費税の増税を国内に求め、経済の中心を外国からのインバウンドに頼ってきた。

また東京五輪も相まって3月になるまで入国制限を設けることが出来ず春節を迎えた中国人観光客の流入を止めることが出来なかったと著者は主張している。


4月以降の感染者の減少は非常事態宣言の効果ではなく、入国規制によるものだとも主張している。

消費税増税で内需を疎かにし、外資に頼り過ぎたツケが回ってきたという。

ではなぜ消費税増税を進めたのか?それが「プライマリーバランス黒字化目標」である。

プライマリーバランスに縛られる政府

​コロナ禍において困窮する経済に対して出した補正予算117兆円。

その額を大々的に謳っているが中身はというと社会保障や税金の免除などで一般家庭に供給される真水(国債発行により純粋に使える金)の予算は高々35兆円程度である。

未曾有の危機では藤井氏は100兆円規模で必要であると主張している。


それは各国でも同じでアメリカでは320兆円もの財政出動を目的とした真水の予算が計上されている。
ではなぜ日本ではそれが出来ないのか。

それは1000兆円にも膨れ上がった赤字国債をこれ以上増やさないためという理由である。

これは安倍政権が掲げる「プライマリーバランス黒字化目標」というもので、政府の支出と収入のパランスを黒字にするというもの。

しかし藤井氏はこう主張する。そもそもIMF(国際通貨基金)の出しているグラフには日本の負債額と同等に資産額も多いことが見て取れる。

引用:IMF

それはすでに財政として健全であるという証明であり、黒字化する必要はないというのが藤井氏の主張である。


しかもこの資産の中には「日銀の保有する国債」も含まれており、世界的に見ても「日銀」と「政府」は同じものというのが見解である。


そして藤井氏はこうも主張している。

政府はもっと国債を発行し市中にお金を流すべきだ。赤字を気にすることはないと。ではなぜその主張ができるのか、それがMMT理論である。

MMTとはなにか

​MMT=「現代貨幣理論」とは近年の貨幣は国家の信用によって創造されるため、自国建ての通貨であればいくら赤字国債を発行しても、自分で貨幣を刷る事ができ返済できるため、デフォルトはありえないというものである。

かなり強引な話ではあるが納得する部分もある。私もなぜお金が足りないならお金を刷らないのだろうと子供の頃から思っていたものである。

それには信用がキーポイントであり、昔のドイツや日本などは軍需拡張や、戦後恐慌の末、貨幣を刷り過ぎたためハイパーインフレを起こした歴史を持つ。


ただ藤井氏はこう語る。20年間デフレの続く近年の日本においてハイパーインフレを起こす可能性は低い。

何より戦後の日本よりも”円”の信用は各段と上がり世界通貨として流通してる。

さらに、もしインフレの兆候が表れたらその時に発行を規制して引き締めればいいだけの話。

赤字か黒字かで判断するのではなくインフレ率によって調整することが大事だという。

むしろ財政赤字は市中に資金が流れている証拠であり黒字にしてはいけないと主張している。

藤井氏のMMTの主張は以下の5つ。

  1. 赤字、黒字に惑わされず「インフレ率」に基づいて財政支出を調整する。
  2. 通貨発行権を持つ政府にデフォルトのリスクや予算制約はない。
  3. 財政赤字は民間にとっての資金増であり、民間への資金供給
  4. 貨幣は税の徴収のために政府が流通させたものでその価値は政府の「徴税能力」で支えられる
  5. 租税や公債は財政調達を目的としたものではなく金利や国民の購買意欲を調整する手段である

つまりMMTはお金がどのようにして生まれるのかを提唱しているにすぎず、インフレ率を調整していけばまだまだ政府はお金をすることが出来るし、そのお金で救える命があるというものである。

まとめ

​本書で一貫して言っていることは結局のところ「消費税増税反対」である。


コロナ発生後の対応の遅れや、財政出動の中身の無さは、回りに回って消費税増税で内需がボロボロになり外資に頼りがちになったり、プライマリーバランス黒字化が足かせとなって財政出動できないという点に帰結している。

なので、著者と藤井氏の主張はコロナ後「絶対にコロナ増税させないし、むしろ消費税凍結、もしくは減税しろ!」というものである。


確かにMMTという新しい切り口ではあるが、本書でそれが実際に行われた国やその理論の裏付けの証明を紹介しているわけではない。

なので机上の空論となってしまう可能性もあるかもしれない。ただ、消費税を凍結、もしくは減税することによる内需の回復はできるというデータは提示されておりそこには納得できる部分もあった。


特に”消費税は消費に対する罰”という藤井氏の主張はこの本でも一貫しており、今の日本に消費の罰は確かにあり得ないとも思う。

著者の「マンガでわかる こんなに危ない消費増税」もお勧めです。

Written by NAOMARU

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